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記事全文を読む→川内優輝「五輪マラソン選考」で日本陸連に不満爆発「根本的におかしい。何度も裏切られた」/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
「何回も裏切られてきた。情報系統がしっかりしていない。そういう組織に入っている意味があるのか」
2015年7月2日の成田空港。ゴールドコーストマラソン(オーストラリア)への出発を控えた男子マラソンの最強市民ランナー、川内優輝は集まった報道陣に対し、こう胸の内をブチまけた。
この日、日本陸連はリオデジャネイロ五輪代表選考基準と、それを有利に進めるための「ナショナルチーム(NT)」のメンバーを発表。しかし、その推薦を受けながらも、川内は代表入りを拒否した。川内いわく、陸連のあまりにもずさんな情報管理と方針転換が問題だというのだ。
当初、陸連はリオ五輪選考でNTメンバーを優先する方針を打ち出し、川内も参加を前提に調整を進めていた。ところがメンバー選定がズルズルとずれ込み、3月中旬になっても川内にはなんの連絡もなかった。
「4月下旬になって報道陣に『どうなっているのか』と聞かれ、初めて陸連から連絡が来た。スポーツ紙に記事が載ってから連絡が来るなんて、根本的におかしいでしょう」
そう憤る川内。
さらに事態を悪化させたのが、5月末の理事会での決定だった。陸連が突如として、リオ五輪選考時の「NTメンバー優先条項」を白紙撤回したのである。ところがこれも、川内への連絡はいっさいなし。結局、仙台ハーフマラソンで実業団選手の知り合いから、この事実を知らされたというのである。
「それで駄目なら諦めますよ」ときっぱり言い放った
川内は憮然とした表情で、次のように吐き捨てた。
「実業団の選手には事前に情報が下りているのに、個人で活動する私には、肝心な条件変更は何も伝えられなかった。何度も裏切られてきました」
陸連という組織に愛想を尽かした様子がありあり。と同時に、チームに所属することにも疑問を呈するのだった。
NTメンバーになれば「医科学サポート」という名のもと、測定や詳細な練習レポートの提出が義務付けられる。そうなれば、ライバルに練習内容の詳細が漏れるリスクが生じるのではないか、というのだ。川内はこうも言う。
「自己申告でどれだけ意味があるのか。科学のサポートより、野性的に山を駆けずり回るのが自分のやり方。枠にはめられたら後悔しますから」
リオ五輪を「自身最後のチャンス」と位置づけ、
「自分自身が思って決めたことをやっていって五輪に出られなければ、それはそれで仕方ない。せめて最後ぐらいは、自分の自由な意思でやっていこうと思う」
選考会で2度目以降の結果が考慮されない「事実上の一発勝負」という極限の条件下、「それで駄目なら諦めますよ」ときっぱり言い放ち、機上の人となった川内。
一個人が組織を拒否して牙を剥いた、大問題発言。同時に陸連という組織のずさんさと、閉鎖的体質を白日の下に晒した事件として、マラソンの歴史に刻まれている。
(山川敦司)
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