政治
Posted on 2026年09月05日 15:00

ホワイトハウスが公開した「トランプ政権礼賛ゲーム」が「丸パクリ低クオリティー」でも絶大な効果を生む理由

2026年09月05日 15:00

 米ホワイトハウスが9月3日に公式サイトで公開したゲームコーナー「ARCADE」が物議を醸している。ここで用意されたのは、トランプ政権の政策を題材にした5種類のゲーム。そのうち「Rio Run」は、国境付近で移民を追いかけ、捕まえる人数を競うという内容だ。捕まった人物はオレンジ色の服に変わり、列になってプレイヤーの後ろをついてくる。

 国境の壁を作るゲームは「テトリス」そっくり。ホワイトハウス公式SNSに投稿された宣伝映像では「SEGA」のロゴを模した「MAGA」が登場し、流れる音声はSEGAのままというお粗末さだった。
 海外のSNS掲示板では、既存ゲームを模倣したことへの批判に加え、完成度の低さが指摘されている。さらに移民の扱いをめぐっては、人権団体が猛反発している。なぜ、こんなゲームを国家の公式サイトで公開したのか。

 国際政治アナリストは、
「公的な場所をトランプ色に染められるという、権力の誇示の意味合いが強い」
 とした上で、次のように解説するのだ。

ゲームの面白さは最初から捨てている

「支持者の私設サイトなら、単なる悪ふざけで終わる話です。ところが今回は、国家を代表するホワイトハウスの公式作品。そこにMAGAの世界観を持ち込み、トランプの名を冠した子供向け貯蓄制度『Trump Accounts』を宣伝するゲームまで並べた。いかに完成度が低くても、支持者からしたら『ホワイトハウスは完全に俺たちのものになった』という全能感を与える効果があります」

 そればかりか、もともと政権を支持していない人たちへの効果もあるという。国際政治アナリストが続ける。
「トランプ政権のやりたい放題の政策に反発していても、こうした発信が繰り返されれば『またか』になり、いずれは『言っても仕方がない』に変わっていきます。抵抗感を慣れや諦めに置き換える演出とも捉えられますね。ゲームの面白さは最初から捨てた上で、『批判上等』の態度を見せつけることに意味があるのではないでしょうか」
 画面の中だけのお遊びとは言い切れないのである。

(川瀬大輔)
1977年生まれ。国内外のビジネス、スポーツ、政治、社会問題を取材するフリー記者。

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    政治
    2026年10月05日 11:30

    アメリカ・トランプ大統領との首脳会談の場を利用し、高市早苗首相への的外れな口撃に終始したのは、中国の習近平国家主席だ。日本のメディアは米中双方が「同盟」という言葉をどう使ったかなどと、表層の言葉尻を捉えて大騒ぎしているが、完全に本質を見誤っ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    社会
    2026年10月08日 06:30

    夏の猛暑期に冷房を限界までフル稼働させていた愛車。カレンダーが10月になり、エアコンの設定を除湿冷房から暖房や送風へと切り替えた瞬間、送風口からモワッと漂う「酸っぱい嫌な臭い」に思わず顔をしかめた経験はないだろうか。その異臭の主因は、夏場に...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    事件
    2026年10月06日 18:00

    昨年、アサヒグループホールディングスに不正アクセスを仕掛けた海外ハッカー集団の中枢メンバーが、なんと大阪で捕まっていた。10月6日の各国における報道によれば、日本の捜査当局が拘束したのは「Qilin(キリン)」の中心人物とされる28歳で、ロ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    タグ:
    注目キーワード

    人気記事

    1. 1
    2. 2
    3. 3
    4. 4
    5. 5
    6. 6
    7. 7
    8. 8
    9. 9
    10. 10
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/29発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク