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記事全文を読む→寺脇研が選ぶ今週のイチ推し!〈タブーなき雑誌の知られざる内幕。これが「噂の眞相」の真相だ!〉
「スキャンダル雑誌のつくりかた『噂の眞相』人名録」
佐高信・著(講談社/1760円)
「週刊アサヒ芸能」が創刊70周年ということで、記念号が発行されたり、記念イベント「アサヒ芸能プールパラダイス2026」が催されたりと賑やかだ。まずは、おめでとうございます。
週刊誌といえばスキャンダル報道が付きものだ。ニュースや社会の陰に潜む内実を暴くのが売り物になっている。
この手法を月刊誌の形で展開した名物雑誌がある。
79年に創刊され、04年の休刊までの間、四半世紀にわたり刊行された「噂の眞相」だ。「タブーなき雑誌」を標榜し、政界官界財界から芸能界、果ては風俗業界と、あらゆる分野の醜聞を追いかけ続けた。まさに「スキャンダル雑誌」と言えよう。
本書はその裏話を詳細に披露してくれるのだから、面白いに決まっているではないか。しかも著者は、同誌の人気連載「タレント文化人筆刀両断!」において、毎回痛快な切り口でさまざまな有名人の問題点を「一刀両断」にしてきた辛口評論家・佐高信だ。歯に衣着せぬ痛快な口調ですべてを明るみに出していく。
まずは、編集発行人・岡留安則の無茶苦茶な人柄と揺るがぬ信念が語られる。クライマックスは、00年の編集部襲撃事件だ。皇室さえタブーにしないので右翼の妨害や抗議はしょっちゅうだったが、この時は包丁を振り回す男に襲われ、岡留は全治40日の傷を負った。にもかかわらず、駆けつけた警察が帰ると、朝まで飲み明かしたという。他にも武勇伝多数だ。中でも、森喜朗首相の就任直後にぶっ放した学生時代の買春検挙歴の暴露は面目躍如。訴えられ、裁判沙汰になっても全くひるまない。
岡留が起用した連載執筆者陣の個性豊かな面々のエピソードもある。
写真と軽妙な文章で構成される巻頭グラビアページ「包茎亭日常」のアラーキーこと荒木経惟、本文扉絵「ゴシップ&ごしっぷ」で「このイラストは実在の人物とは関係ありません」と断りつつ政治家、俳優など有名人男女の架空淫行図を描く異色絵師・足立三愛は、まさに看板連載だった。
さらに、政治から性事まで幅広い「東京ペログリ日記」の田中康夫、自由奔放な随筆「笑犬樓よりの眺望」の筒井康隆、有名人を漫画でおちょくる「絶対安全Dランキング」の高橋春男、「顔面至上主義」の消しゴム版画家のナンシー関‥‥。
最終章にはビートたけし、読売新聞のワンマン社長・渡邉恒雄、司馬遼太郎など、著者と岡留編集長コンビによる「筆刀両断!」の戦果が並び、この破天荒なスキャンダル雑誌の神髄が示される。
これ一冊が、さながら「噂の眞相」の真相だ。わたしのような往年の愛読者は懐かしい気持ちになり、知らない世代の方々は、あまりの過激さに度肝を抜かれるに違いない。
寺脇研(てらわき・けん)52年福岡県生まれ。映画評論家、京都芸術大学客員教授。東大法学部卒。75年文部省入省。職業教育課長、広島県教育長、大臣官房審議官などを経て06年退官。「ロマンポルノの時代」「文部科学省 『三流官庁』の知られざる素顔」「昭和アイドル映画の時代」、共著で「これからの日本、これからの教育」など著書多数。
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