社会
Posted on 2026年07月21日 06:30

韓国版「丑の日」の食卓が激変!「犬食禁止法」で広がる代わりのスタミナ食「ならばヤギ肉料理だ!」

2026年07月21日 06:30

 日本では土用の丑の日にウナギを食べる習慣があるが、韓国にも夏の暑さを乗り切るための記念日「伏日(ポンナル)」があり、古くから、この日には韓国のスタミナ源である「犬肉」を食べる風習があった。
 しかしその食卓の風景が、食用目的での犬の飼育や販売を全面禁止する「犬食禁止法」の施行により、大きく変貌を遂げている。
   
 韓国在住ジャーナリストが語る。
「禁止法の制定以降、わずか2年半の間に食用犬の飼育農場は8割以上が閉鎖に追い込まれ、仕入れ値の高騰から犬肉専門店の経営は限界に達しています。長年、犬食に関わってきた業者や犬肉料理人の廃業、あるいは失業が急増しています」

 朝鮮半島における古くからの習慣だった犬食を禁止した背景には、韓国社会における動物観の変化がある。かつて犬食は貴重なたんぱく源として重宝されてきたが、時代の変化により「愛玩動物」となり、現在は「伴侶動物(パルリョトンムル)」、つまり家族の一員であるとの認識が、若い世代を中心に韓国内に定着している。
 前出の韓国在住ジャーナリストが言う。
「大切な家族である犬を食べるなんて信じられない、という意識が社会全体に広がり、国際社会の視線や国内の動物愛護意識の高まりも相まって、法制化へと舵を切る原動力となりました」

犬と同様の高い滋養強壮効果

 そんな歴史的転換の機運において、犬肉業者が生き残りをかけた新たな試みが、今年に入って急増する「ヤギ肉料理」へのシフトだった。ヤギ肉もまた、犬と同様に体を温める高い滋養強壮の効果があるとされることから、代わりのスタミナ食としてメニューに加える店が相次いでいる。
「長年、親しまれた犬肉文化が幕を閉じるのを寂しいと感じる人々がいる一方、伝統食をスパッと切り捨て、韓国版『丑の日』にはヤギ肉を…と切り替える柔軟性。韓国人の貪欲なバイタリティーを感じますね」(前出・韓国在住ジャーナリスト)

 本来「何を口にするか」は、その国の歴史や環境が育んだ大切な文化だが、価値観の変化や社会の成熟とともに、その「当たり前」が変化することもまた、時代の流れだ。「丑の日」の精肉店の店先に「ヤギ肉」がズラリと並ぶ日は近いようだ。

(灯倫太郎)

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