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記事全文を読む→映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第2回〉(2)ビートたけしと2人きりに…
秒刻みのスケジュールに追われながら進むロケ。その中で、佐々木には今でも忘れられない会話がある。
クイズ番組だから正解か不正解かの判定は重要だ。本番中、佐々木はある問題の答えに疑問を抱いた。
「その場では『正解!』で進んでしまったんですけど、『それを正解にしていいのかな?』というグレーな回答だったんです。チーフ作家を務めていたダンカンさんにその旨を伝えたら、ダンカンさんは『そんなのどうでもいいよ、おもしろければ!』。目からウロコでしたよ(笑)」
ダンカンについて、印象深いエピソードがある。
「次に不正解だと罰ゲームという場面で、少し考えれば誰でも正解しそうな問題が出ました。そこでダンカンさんは間髪入れずにボケた答えを叫んで不正解。罰ゲームの展望台からのバンジージャンプで60メートル下に落ちていきました(笑)。とっさにおもしろいボケを思いつく発想力と、真面目な顔で答えて罰ゲームを喰らって笑いをかっさらうカッコよさにしびれました」
ロケが進むにつれて、佐々木はあることに気づく。ダンカンを含む出演者全員が、常に“あの人”に注意を向けているのだ。
「みんなが“殿”、ビートたけしさんを笑わせたいんですよ。たけしさんが笑えばうれしいし満足する。でも、現場でスタッフや共演者から笑いが起きても、たけしさんのリアクションが小さいと内心ガッカリする。みんながたけしさんの反応を見ていたんです」
放送ではゲラゲラと笑い転げるたけしが幾度となく映ったが、現場では常に笑っているわけではなかった。
「バンジー後、ロープが揺れて壁に激突してしまった芸人がいたんです。鼻血を出して、壁に鼻血がくっついたのを見た瞬間に、たけしさんは『ダメだ!』と即中止。ケガする姿が画面に映ったら笑えない。お笑いウルトラクイズは今でも語り継がれる危険な映像をたくさん残しましたけど、大ケガになったケースはないはず。それはたけしさんの厳しいジャッジがあったからだと思います」
たけしとは、こんなエピソードもあった。
「常にお付きの人たちに囲まれているんですけど、ロケの合間に一瞬だけ、僕と2人きりになりました。たけしさんが汗をかいていたので『おしぼりをお持ちしましょうか?』と聞くと、『あ、すみません!』。一介のADに、こんなに優しく対応してくださるのかと感激しました。みんながたけしさんを好きになるわけですよ」
佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。
取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)
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