芸能
Posted on 2026年08月23日 10:02

映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第2回〉(3)芸人に支払われた〝危険手当〞

2026年08月23日 10:02

 テリー伊藤たちが考えためちゃくちゃな企画をいかに実現させて、たけしを笑わせて満足させるか。

 極めて困難なミッションに真っ先に挑戦する“集団”の存在を、佐々木は鮮明に覚えている。

「たけし軍団は本当にすごかったです。メンバーは『たけしさんが喜ぶツボ』をよくわかっている上に、他の芸人が尻込みしてしまうような危険な企画がある時は、率先して彼ら軍団が行くんです」

 カースタント、バンジー、バスを吊り上げてのアップダウンクイズなど、伝説の企画は、体当たりで挑むたけし軍団なしには成立しなかったのだ。

 現場では、まだ無名だったダチョウ俱楽部や出川哲朗らが、常に前に出ていくチャンスをうかがい、臨戦態勢だった。

「『次は俺が行くんだ!』という気合いがすごかったです。お笑いウルトラクイズは今でいうM-1。あの番組で輝き、たけしさんに認められたら売れる。チャンスを摑もうと、ギラギラしてたあの時の目は忘れられないですね」

 そこにはこんな裏話も。

「ビニールプールに落ちて、体中にネバネバのトリモチがくっつくと落とすのが大変なんです。サラダオイルを塗って剝がすんですけど、体毛は抜けるし、痛いしで、番組側も同情したのか、急きょ“危険手当”が取っ払いで上乗せされたと聞きました(笑)」

 その額は3万円だったという(あご勇のユーチューブ「あごちゃんねる」より)。お金のない芸人にはありがたかっただろう。

 制作側も無茶苦茶だった。佐々木はこんなエピソードを明かした。

「ADがロケの前に使用許可を取っておくんですけど、当日になると爆破の準備が始まるんです。『爆破の許可まで取ってないですよ』と言うと、ディレクターは『大丈夫だよ!』(苦笑)。今、許可なしでやれば大問題になるし、そもそも爆破やカースタントで『ド派手な映像で驚かそう』と挑戦するディレクターもいなければ、予算もない(苦笑)。おおらかな時代でした」

 こうして撮影された素材は数百時間におよび、それを3時間の特番にまとめる編集作業は1週間続いた。編集スタジオを担当したADは佐々木1人で、冒頭に触れたように、過酷な作業によって心身共に極限まで追い詰められたのだ。

佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。

取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    政治
    2026年09月30日 20:00

    「再結集した公明としての新しい出発になる」記者会見で党勢拡大への意欲を示したのは、公明党の西田実仁幹事長だった。中道改革連合の分裂に伴い、離党した公明党出身の衆院議員28人が間髪を入れずに、元の所属先へと復党した。これで衆参両院合わせて49...

    記事全文を読む→
    女子アナ
    2026年10月04日 11:15

    宮根誠司アナが司会の「情報ライブミヤネ屋」(日本テレビ系)が10月2日に放送開始から約20年で最終回を迎えた。読売テレビ制作の関西ローカル放送として、2006年7月31日にスタート。2008年3月31日から全国ネット放送を開始すると、一時期...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    政治
    2026年10月05日 11:30

    アメリカ・トランプ大統領との首脳会談の場を利用し、高市早苗首相への的外れな口撃に終始したのは、中国の習近平国家主席だ。日本のメディアは米中双方が「同盟」という言葉をどう使ったかなどと、表層の言葉尻を捉えて大騒ぎしているが、完全に本質を見誤っ...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/9/29発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク