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記事全文を読む→映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第2回〉(3)芸人に支払われた〝危険手当〞
テリー伊藤たちが考えためちゃくちゃな企画をいかに実現させて、たけしを笑わせて満足させるか。
極めて困難なミッションに真っ先に挑戦する“集団”の存在を、佐々木は鮮明に覚えている。
「たけし軍団は本当にすごかったです。メンバーは『たけしさんが喜ぶツボ』をよくわかっている上に、他の芸人が尻込みしてしまうような危険な企画がある時は、率先して彼ら軍団が行くんです」
カースタント、バンジー、バスを吊り上げてのアップダウンクイズなど、伝説の企画は、体当たりで挑むたけし軍団なしには成立しなかったのだ。
現場では、まだ無名だったダチョウ俱楽部や出川哲朗らが、常に前に出ていくチャンスをうかがい、臨戦態勢だった。
「『次は俺が行くんだ!』という気合いがすごかったです。お笑いウルトラクイズは今でいうM-1。あの番組で輝き、たけしさんに認められたら売れる。チャンスを摑もうと、ギラギラしてたあの時の目は忘れられないですね」
そこにはこんな裏話も。
「ビニールプールに落ちて、体中にネバネバのトリモチがくっつくと落とすのが大変なんです。サラダオイルを塗って剝がすんですけど、体毛は抜けるし、痛いしで、番組側も同情したのか、急きょ“危険手当”が取っ払いで上乗せされたと聞きました(笑)」
その額は3万円だったという(あご勇のユーチューブ「あごちゃんねる」より)。お金のない芸人にはありがたかっただろう。
制作側も無茶苦茶だった。佐々木はこんなエピソードを明かした。
「ADがロケの前に使用許可を取っておくんですけど、当日になると爆破の準備が始まるんです。『爆破の許可まで取ってないですよ』と言うと、ディレクターは『大丈夫だよ!』(苦笑)。今、許可なしでやれば大問題になるし、そもそも爆破やカースタントで『ド派手な映像で驚かそう』と挑戦するディレクターもいなければ、予算もない(苦笑)。おおらかな時代でした」
こうして撮影された素材は数百時間におよび、それを3時間の特番にまとめる編集作業は1週間続いた。編集スタジオを担当したADは佐々木1人で、冒頭に触れたように、過酷な作業によって心身共に極限まで追い詰められたのだ。
佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。
取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)
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