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記事全文を読む→金難民〜金塊密輸に魅せられた人々〜〈第5回「ギャラ500万円」「那覇ルート」プライベートジェット密輸の核心〉(3)運行会社の社長には逮捕歴が
この密輸の計画は、A氏に内密で進められた。曰く、もしA氏が知ることになれば、「そんな違法なことはヤメろ」と止められていたはずだという。
─15年9月。A氏と組幹部の男は香港で会合を持った。A氏から預かった金塊は112キロ─約4億8000万円相当だった。その場で換金の依頼があり、契約書まで交わされた。そして事件は後に裁判にまで発展するのだが、実行犯らはこの契約書を根拠に「金はA氏の持ち物であり、我々はその換金を依頼されただけだ」と主張することになる。
この金の換金は、A氏と組幹部の男にとって初めてのビジネスだったという。裁判では40回以上の渡航歴を挙げて密輸の常習性を問われたが、実行犯はこう主張した。
「渡航歴のほとんどは、香港から羽田です。もちろん今回の香港から那覇ルートは初めてのことです」
密輸のスキームには、実際の航空会社社長が加わった。
取材に同席した別の実行犯の一人は言った。
「社長へのギャラは500万円程度だったはずです」
プライベートジェット運航会社「ジャパンジェットチャーター」社長・N。首尾よく機体と乗務員を用意できる男だ。
ちなみにNはこの事件以前にも、東日本大震災の賠償金詐欺で逮捕された経歴を持つ、いわくつきの人物でもある。
15年12月14日、犯行の日─。
「沖縄に一度入れて、国際線から国内線に切り替えるんです。国内線になればノーチェックで入れるんですよ」
実行犯の一人は言った。この密輸劇の核心には「資格変更」があった。
高木瑞穂(たかぎ・みずほ)ノンフィクションライター。月刊誌編集長、週刊誌記者などを経てフリーに。主に風俗や犯罪事情を取材、執筆。「売春島『最後の桃源郷』渡鹿野島ルポ」(彩図社)、「ルポ 風俗の誕生」(清談社Publico)など著書多数。
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