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記事全文を読む→【世界の「最凶独裁者」列伝】中国の女帝「西太后」改革派を処刑に次ぐ処刑…皇帝には「致死量を超えるヒ素」
「世界三大悪女」の一人とされ、権力を守るためなら手段を選ばない。冷徹さと凄惨さを兼ね備えた女帝が、約半世紀にわたり清朝末期の中国に君臨した独裁者・西太后だ。
彼女の権力闘争の原点は、夫である第9代・咸豊帝(かんぽうてい)の死に際にあった。危篤状態の帝に、幼いわが子(のちの同治帝)を抱えて枕元に寄り添った彼女は、帝から「この子が帝位を継ぐべき」とのうわ言を引き出すと、帝の崩御後、実権を握ろうとする側近らに対し、正室の東太后や皇族と結託してクーデターを断行。これが世にいう「辛酉政変」である。
こうして反対勢力を次々と処刑、失脚させると、やがて幼い皇帝の背後から政治を牛耳っていくことになる。しかし、自らの権力を脅かす存在をなんとしても徹底的に排除したいとの思いに駆られた西太后は、実の息子・同治帝をも圧迫し、失意の中、帝は世を去ることになる。
さらに後継として即位させた甥の光緒帝も、彼が進めた改革が気に食わない、との理由で中南海の孤島に幽閉。さらに改革派を全て処刑するという、恐るべき暴挙に出るのである。
そんな西太后の、独裁者としての突出した特徴は、天井知らずの浪費癖。日清戦争の敗北が見え始める中、海軍の予算を横流しして隠居先を大改築したり、自身の60歳の誕生日を祝う祭典に莫大な国費を投じるなど、公金を自分の欲望のために湯水のように使った。それはまさに我が世の春を謳歌するかのような、常軌を逸した豪遊ぶりだったとされる。
「自分は男でありたい」という歪んだ欲望
その結果、民衆は飢饉や重税に苦しみ、たび重なる外国の侵略もあって、「外国を追い出そう」という反キリスト教・排外主義の秘密結社「義和団」が勢力を拡大。彼らにより教会が焼き討ちされ、外国人やキリスト教徒が次々と襲撃されたのである。
そんな中、北京を占領された西太后は、光緒帝を連れて西安へ逃亡。しかしその逃避行の最中にも、光緒帝が寵愛する珍妃が邪魔になり、井戸へ投げ込んだというから、まさにサイコパスというほかないだろう。
73歳を迎える直前に病に倒れた西太后だったが、死の直前まで権力を手放さず、わずか3歳の愛新覚羅溥儀(のちのラストエンペラー)を新たな皇帝に指名。西太后が息を引き取る直前のタイミングで光緒帝が急死するも、後年、光緒帝の遺体から致死量をはるかに超えるヒ素が検出されたという。「自分が死ぬ前に光緒帝に復権されては困る」と考えた彼女が毒殺した、との説が有力視されている。
宮中では絶対的君主として振る舞い、周囲の者に自分を「親爸爸(お父様)」と呼ばせていたこの悪女は「自分は男でありたい」という歪んだ欲望にかられた、あまりにも恐ろしい独裁者だったのである。
(山川敦司)
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