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記事全文を読む→「チベット氷河洪水」大惨事の次は中国「世界最大級の危険ダム」決壊!「10年もたない」水利学者の警告無視
ネパール側では1259人が死亡し、5000人以上が行方不明に。中国側でも21人が死亡し、541人の安否がわかっていない。これが9月4日時点での状況だ。
ネパールとチベット自治区の国境付近で氷河と岩石が崩れ落ち、土砂と水が一気に谷を駆け下りたのは8月26日だった。ある観測地点では、水位がわずか30分で9メートルも上昇している。
信じられない量の土砂と水がアッという間に建物を飲み込むニュース映像を見て、心底驚いた人は多かったのではないか。
氷河の崩落が前代未聞の大惨事を引き起こしたわけだが、では総貯水容量約393億立方メートル、東京ドームおよそ3万1700杯分の水を抱える構造物が限界を迎えた時、何が起きるのか。
チベット洪水を機に、中国中部の長江流域にある世界最大級のコンクリート重力式ダムについて考えてみたい。というのも、長江を横切る三峡ダムにはかつて「10年もたない」との警告が突きつけられていたからだ。
中国の水利学者・黄万里は三峡ダムの建設に反対し、「もしダムを強硬に建設したら、10年もたないだろう」と警告して2001年に世を去った。この言葉は日本でも紹介され、竣工後に「期限は2019年」として広まった。その2019年はとうに過ぎたが、ダムは今でも稼働を続けている。だが、水利学者が警戒した堆砂そのものがなくなったわけではない。
2003年から2015年の約12年間で、三峡貯水池には約16億トンの土砂が積み重なったことが確認されている。運営する中国三峡集団は、上流のダム群整備により年間流入土砂が当初想定の約5億トンから約2億トンに減り、雨季の排砂運用もあって堆積量は設計値を下回ると説明している。
もっとも、土砂は上流端や支流との合流点に偏って堆積する。河床が上がれば航路を浅くし、貯水容量を圧迫する。直ちにダムが壊れる話ではないが、長期的には洪水調節を難しくし、貯水池上流の港や船の通行に影響を及ぼしかねない。
中国政府は決壊時のハザードマップを公開せず
三峡ダムの建設計画は1992年の全国人民代表大会で承認されたが、賛成は67%にとどまった。移転住民の問題や環境リスクへの懸念が拭えず、国家事業の承認としては異例の数字だった。建設前から大きな疑問符がついていたのである。
将来、大規模な決壊が起きれば、ダムから約40キロ下流の宜昌周辺が最初に飲み込まれる。中国側の模型実験では被害は付近にとどまるとされるが、それは条件が整った場合の話だ。破口の規模や水位次第では、長江の物流が麻痺し、数千万人が電力を失う。汚泥と断水、真夏なら感染症が追い打ちをかけるだろう。
1975年の板橋ダム連続決壊では、飢餓と疫病を含めた死者が8万5600人から23万人に上った。393億立方メートルを抱える三峡ダムが崩れれば、その比ではない。
それでも中国政府は、三峡ダムが完全決壊した場合のハザードマップを一般に公開していない。幸いにも2019年危機説は外れた。だが約16億トンの堆積土砂は、予言とは無関係に積み重なり続ける。
恐ろしいのは決壊の日だけではない。いつ崩れるかわからないダムの下流で、今日も数千万人が生活していることだ。
(ケン高田)
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