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記事全文を読む→中国で「選別鎖国」が始まった!ハイテク重要技術を持つ研究者とエンジニアは「海外渡航NG」いったいなぜか
コロナ以降、「双向奔赴」を掲げて世界との往来を拡大してきた中国が、国民の「出口」を締め始めた。
中国国務院は先ごろ「出境入境管理規定」を公布。これにより9月15日から、輸出管理や技術輸出入の規則に違反し、国家の産業・技術安全を脅かす可能性がある中国人について、当局が出国を禁止できるようになる。
また、海外で違法行為に関わり、国家安全や国益を損ねたと判断された場合も、帰国後6カ月から3年間の出国禁止措置が可能に。出入国の目的を調べる際には、当局が書類や電子データの提出を求める規定も盛り込まれた。
中国側はこの新制度について、海外での戦争や犯罪、感染症から国民を守るほか、騙されて出国し、特殊詐欺や賭博に加担させられるケースを防ぐためだと説明。
新華社などの中国国営メディアも「公民の合法的権益を守り、高水準の対外開放を支える法整備」と強調している。
他国から「事実上の鎖国ではないか」との指摘が相次ぐ今回の決定について、中国事情に詳しい国際ジャーナリストが語る。
「これは昔ながらの全面的な鎖国ではなく、国外へ出したくない人材だけを選別する、片側通行の鎖国です。中国は外国人向けのビザ免除を拡大する一方、AIや半導体など重要技術を持つ自国民には鍵をかけ始めた。技術はデータだけでなく、研究者やエンジニアの頭の中にも入っています。人を止めれば、ノウハウの流出も止められるという発想です」
中国企業の買収や日本本社への人材移籍も難しくなる
今年に入り、AI企業Manusの創業者らが出国を制限され、アメリカMetaによる同社買収が撤回に追い込まれた。5月にはAlibabaやDeepSeekで最先端AIに携わる人材が、海外渡航に当局の許可を求められている、と報じられている。
「中国が最も恐れているのは、企業が本社や技術者をシンガポールなどへ移し、外国企業に買収されること。新規定は人材、技術、データ、資本の流出を一体で封じるための仕上げとみられています。欧米の対中半導体規制に対抗するため、中国も自国の頭脳を戦略物資として扱い始めたのです」(前出・国際ジャーナリスト)
その影響は日本企業にも及ぶといい、
「中国人技術者を日本へ呼んで研修や共同開発を行う場合、当局が技術移転と判断すれば、出張そのものが止まる可能性がある。中国企業の買収や、日本本社への人材移籍も難しくなるでしょう。日本企業が中国の優秀なハイテク人材に頼れなくなる可能性が、一気に高まりました」(前出・国際ジャーナリスト)
中国の国境は、一方向にのみ開こうとしている。
(川瀬大輔)
1977年生まれ。国内外のビジネス、スポーツ、政治、社会問題を取材するフリー記者。
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