社会
Posted on 2026年09月16日 11:15

沖縄県知事選が終わったとたんに「辺野古沖転覆事故」を一斉報道した地上波テレビの「見識」と「不自然さ」

2026年09月16日 11:15

「選挙に名を借りた、ひどい有様が野放しになっています。特にSNSの状況。有権者の選択がゆがめられるようなことがあってはならない。国として早急に対策を講じて」
 これは先の沖縄県知事選に敗れた玉城デニー氏の、敗戦の弁だ。

 開票0%で早々と元総務省職員、無所属新人の古謝玄太氏(自民、維新、国民民主、参政、保守、公明が推薦)に当選確実が出た。現職の玉城氏(推薦なし。立憲民主、共産、社民、沖縄社会大衆党)は大差をつけられる完敗だった。

 玉城氏は今年5月にも、3月に起きた名護市辺野古沖での転覆死亡事故(同志社国際高校の生徒18人を乗せたボート2隻が転覆して2人が死亡、14人が負傷)をめぐり、次のように話している。
「交流サイト(SNS)上で、県が船の運行団体に補助金を支給しているなどの誤情報が拡散している。有権者の考え方が間違った情報によって判断されることがあってはならない」
 つまりSNSのせいで自身が落選したと受け止めているようなのだ。

 ならば7月に沖縄県議会に設置された「辺野古沖船舶転覆事故に関する調査特別委員会」で潔白を証明すべきだったが、玉城氏を支持する県政与党は転覆事故が捜査中であることを理由に、審議入りに反対。公明党も知事選を念頭に「時期尚早である」と反対したと、フジテレビ系列の沖縄テレビが報じている。

 事故の真相究明を避け、ネット規制を訴えた玉城氏は、そこからしてズレている。国民のテレビ試聴時間とネット試聴時間は、コロナ禍の2020年に逆転。総務省が今年6月に発表した「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」では、日本人のリアルタイムのテレビ視聴は156.1分(平日平均)だったのに対し、SNSや動画サイトを含めたインターネット利用時間は1日平均183.9分(同)と、ネットが約28分も上回った。

櫻井翔の出演CMが続々と流れる現象

 ネットに逆転されたNHKと日本テレビ、TBSは沖縄県知事選が終わった後に、辺野古沖転覆事故で愛娘の武石知華さんを失った遺族インタビューを一斉に放送。テレビ朝日はさらに不自然で、投票日当日の9月13日午前10時から特別番組テレメンタリーPlusで「虐殺のレリーフ ―スパイと見なされて―」を放送した。
 関東地方を中心に放送されたこの番組は「戦時下、日本軍は久米島の島民20人を敵国アメリカ軍のスパイだとして虐殺した」として記念レリーフを制作した、彫刻家で部落解放運動家・金城実氏とその支援者たちのルポルタージュだ。

 番組では金城氏が同志社国際高校の沖縄平和学習、辺野古沖Fコースとは別のBコース「金城実先生アトリエ+民泊コース」の講師だった事実には触れなかった。そこに武石さん遺族への配慮はなく、久米島の島民はレリーフ作成に反対していた背景もある。
 番組タイトルは日本軍が久米島の島民を無差別に虐殺したように受け取れるが、史実によれば、日本軍が手にかけたのは、戦時中に島にやってきた外国人と、米軍と接触していた島民だという。

 気になるのは、この特番で流されたCMにセブンイレブン、三井住友銀行、チューリッヒ生命、ハウス食品……と、なぜか総務省元事務次官の父を持つ元嵐の櫻井翔が現在CM出演しているか、過去に出演していた企業がズラリと並んだこと。すごい偶然もあるものだが、当選後さっそく高市早苗総理から来年度の沖縄振興予算を3000億円台に積み増す方向性を示された古謝新知事が、まさか古巣の総務省にハシゴを外される、なんてことは……。

(那須優子)

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