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記事全文を読む→縁起の良さ最大値!9月9日「重陽の節句」に「菊酒」を呑む!大人が嗜む「秋のひやおろし」名酒と食のペアリング指南
9月9日は端午や七夕と並ぶ五節句の締めくくり「重陽(ちょうよう)の節句」。別名「菊の節句」と呼ばれ、古来より菊の花弁を浮かべた日本酒「菊酒」を口にし、無病息災や不老長寿を祈願する風流な習わしが受け継がれてきた。
そもそも古代中国の陰陽思想において、奇数は縁起の良い「陽の数」とされ、その最大値である「9」が重なる9月9日は、極めてめでたい日として尊ばれた歴史を持つ。
平安貴族の宮中行事として定着したのち、江戸時代には幕府が公式の祝日として制定。徳川将軍をはじめ、諸大名が江戸城で祝宴を開いた。町人文化が花開いた江戸市中では、前夜から菊の上に真綿を被せて朝露と香りを染み込ませた「菊の被綿(きせわた)」で顔や体を拭い、若返りを願う粋な風習が大流行している。
さらにこの時期は、左党にとって待ちに待った「ひやおろし(秋あがり)」が一斉に解禁されるタイミングと重なる。冬から春に搾った新酒に一度だけ火入れを行い、夏のあいだ涼しい蔵でじっくり熟成させた酒は、角が取れて円熟の極みに達する。
祝にふさわしい伯楽星・天狗舞・司牡丹にほのかな苦みをプラス
全国の地酒事情を知る日本酒ライターが言う。
「重陽の祝いにふさわしい一本として、まずは秋刀魚や秋鮭の脂をスパッと切る、宮城の『伯楽星 純米吟醸 冷卸』。そして豊かな旨味とコクがキノコ料理を引き立てる、石川の『天狗舞 山廃純米 ひやおろし』。さらに爽快なキレ味を誇る、高知の『司牡丹 純米超辛口 船中八策 ひやおろし』などが挙げられます。冷酒を注いだ盃に食用菊の花びらを二、三片ちぎって浮かべるだけで、ほのかな苦味と華やかな香りが広がり、極上の菊酒へと昇華します」
さらに「食とのペアリング」については、
「ひやおろしは冷酒はもちろん、常温やぬる燗にしても、米本来のふくよかな風味が花開きます。旬を迎えた秋鮭のハラス焼きや焼き松茸、マイタケの天ぷらといった山の幸との相性は抜群。食材の滋味と酒の円熟味が絶妙に調和し、至福の晩酌を演出してくれます」
数百年の時を超えて受け継がれる先人たちの粋な知恵。菊を浮かべ、秋の深まりを感じながらグラスを傾けたい。
(滝川与一)
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