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記事全文を読む→【阿曽山大噴火・裁判傍聴レポート】急増するシニア犯罪のギョーテン実態
裁判傍聴芸人として知られる阿曽山大噴火(52)が「『シニア珍事件』裁判傍聴記 元大蔵官僚、『ブス!』と叫んで被告人になる」(徳間書店刊)を10月28日にリリースする。刊行を前に、急増する高齢者犯罪の実態を渾身レポートする。
傍聴席から見た裁判の様子をフリップで面白おかしく紹介して、笑いを取ってきた阿曽山大噴火。通勤定期券を購入して東京・霞が関の東京地裁に通い始めて21年目になる。
「20年ほど前は、後期高齢者の裁判は珍しく、被告人が80歳というだけでネタになりましたが、今は違います。被告人の高齢化が進んで70代、80代はザラ。90代になって『おっ』と驚く感じですね」(以下、コメントは阿曽山大噴火)
本書にも90代の被告人が2名登場する。1人は無免許で車を運転して対向車と正面衝突し、もう1人は被害男性(20代)の腹を殴って逮捕・起訴された。
「暴力行為等処罰に関する法律違反の疑いで逮捕された90歳なんて、耳は遠いけど、話しぶりはしっかりしていましたね。エビなどの魚介を無許可で路上販売して、食品衛生法違反という珍しい罪名で起訴された76歳の男性も、商売をしているだけあって、ハキハキと質問に答えていたのが印象的。マンションや雑居ビルの上層階に忍び込んで盗みを繰り返し、捜査員から『スパイダーマン』と呼ばれた68歳の男性もいました。元気な高齢者が増えたのは喜ばしいことですが、犯罪者になるリスクも高まっていると言えます」
2件の暴行罪に問われた「デヴィ夫人」ことデヴィ・スカルノ被告人(86)もその1人だ。
事件の概要は、阿曽山大噴火の傍聴ノートから引用したい。
《起訴されたのは2件。ひとつは25年の2月13日午後9時半、東京都渋谷区の飲食店で被告人が元マネージャーのAさんにシャンパングラスとおしぼりを投げる暴行を加えた件。もうひとつは、25年10月28日、都内の動物病院の手術室で、被告人が同じく元マネージャーのBさんの腹と胸を殴って、脛を蹴る暴行を加えた件》
2件の暴行事件の引き金となったのが「犬」だ。シャンパングラスの件では、酒席で犬食の話題となり、「犬を食べるのは文化ですよね」というAさんの発言に愛犬家のデヴィ被告人が激高して犯行に及んだとされ、動物病院の件では、死亡した飼い犬の措置に納得がいかず、獣医につかみかかろうとしたところ、制止に入ったBさんに暴力を振るったと見られている。
先の傍聴ノートによれば、事件報道の影響について訊かれたデヴィ被告人は、
「テレビ、講演会、CMがなくなりました。違約金を請求されたのもありました。すでにお支払いしています」
と述べて、損害額を「9000万円」と明かした。ここは潔く謝罪して、一刻も早いタレントイメージの回復に努めるのが得策のように思えるが‥‥。
「法廷で見る被告人はアクセサリーで着飾って、テレビに出ていたのと変わらない印象。取り乱した様子もありませんでした。ただ、被害者への謝罪の言葉がまったく出てこない。『私、瞬間湯沸かし器みたいなところがあって』と自分を顧みることはあっても、決して謝らない。Aさんに対して謝罪文を出したようですが、もう1人の被害者であるBさんから長々と説得されて、ようやく書いたというから前代未聞。しかもその謝罪文にも謝罪の言葉がいっさいなかったそうです」
公判では暴力行為について否認するひと幕もあったが、最初から頭を下げていれば、今もテレビで稼ぎまくっていたかもしれない。
被害者に謝罪ができないのは、本書のタイトルになった70代の元大蔵官僚も同じだ。
24年9月、古書店に居合わせた女性客に対して、
「ブスは黙ってろ! ホント態度悪いブスだな」
と悪態をついて、侮辱罪で裁かれることとなった。そもそもの発端は、被告人の勘違い。本を探していた被告人が、店員だと思って被害女性に声をかけたところ、彼女は応対することなく無視。「おい、お前だよ!」と文句を言ったところで、ホンモノの女性店員から間違いを指摘されると、被告人はさらに激高。被害女性に「違うなら違うって言えばいいだろ、ブス」と言い放ち、前述のような言葉を投げかけたという。
「侮辱した事実は認めて、発した言葉についても反省はしている。しかし被害者にも非があるという主張を繰り返し、最後の最後まで被害者への謝罪の言葉を聞くことはありませんでした」
珍しい事件を取り上げていく中で、やはり最も多いのが窃盗だ。
「ひと口に窃盗といっても、万引き、置き引き、スリなど犯行内容も違えば、被告人が抱える事情もさまざま。家出中にスーパーで弁当を万引きして、その場で温めて食べた男性もいれば、執行猶予中にもかかわらず、猫のエサを盗んだ女性もいました。ここで盗まなければ死んでしまうような、切羽詰まったケースってほとんどないんですよ。生活が立ち行かなくて、刑務所に入るために何か犯罪をするというパターンはありますけどね」
刑事裁判や犯罪者と聞くと、どこか遠い世界の出来事のように思われるかもしれないが、阿曽山大噴火は、「人間誰しも老いて被告人、もしくはその家族になりうる」と述べてこう続ける。
「年齢を重ねると、感情のブレーキが効きにくくなるせいもあるかもしれませんが、高齢者が突発的に事件を起こすケースが意外とあるんですよ。妻の介護をしていた70代の会社役員は、大晦日に突然、区立集会所の庭の芝生に火をつけたんです。この放火事件には不可解な点がいくつもありました。彼の場合は、いきなり自宅で髪染めをして風呂場を汚すことがあったそうですが、こうした犯罪の予兆を見逃さないことが大切。周りがそのサインに気づいて、救いの手を差し伸べていたら、裁判沙汰を避けられたかもしれません」
明日は我が身のシニア事件。ぜひ本書を手に取ってほしい。
アサ芸チョイス
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