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Posted on 2026年10月19日 06:45

【江戸秘録】「月・水・金は正妻がいる本宅で」「火・木・土・日は側室と過ごす」ローテーション制を採用した大名の生活

2026年10月19日 06:45

 英雄、豪傑色を好むという言葉がある。戦国時代や江戸時代の大名には、自らの血筋を絶やさず家を存続させる意味もあり、正妻とは別に側室を持つ者がいた。NHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の作中に重要な役割で登場した蜂須賀正勝の末裔、蜂須賀茂韶(もちあき)だ。

 弘化3年(1846年)生まれの茂韶は阿波徳島藩の14代目、最後の藩主である。再婚で正妻・随子(よりこ)を娶る際に、驚くべき条件を突きつけられた。随子が性交渉を拒否したのである。
 随子にはかつて松平大和守という婚約者がおり「二夫にまみえず」という考えの持ち主だったからだ。さらに随子は水戸藩主の徳川慶篤と有栖川宮幡仁親王女の間に生まれた高貴な身分で、プライドが高かった。

側室のところに入り浸ることを許さなかったので…

 性交渉がなければ子供は生まれない。そこで随子は自らのお気に入りの次女・萩原京を側室としてして差し出した。つまり、正妻公認の側室である。ただし、である。随子は茂韶に、側室のところに入り浸ることを許さなかった。そこで編み出されたのが「月、水、金は正妻のいる本宅に泊まる。火、木、土、日は側室と過ごす」というローテーション制だった。

 過去にも本宅と別宅を行き来する大名はいたと思うが、ここまで徹底したスケジュール管理の例は聞いたことがない。とはいえ、茂韶は単なる恐妻家ではなかった。
 明治維新後はオックスフォード大学に留学し、フランス公使や東京府知事、文部大臣、貴族院議長などの要職を歴任。明治12年(1879年)には渋沢栄一と三菱財閥の岩崎弥太郎の協力を得て東京海上保険(東京海上日動火災保険)を設立して初代社長に就任するなど、実業家としても活躍した。

(道嶋慶)

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