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記事全文を読む→【日本初のベンチャー起業】江戸時代に「転職・求人・アルバイト紹介ビジネス」を始めた廃業医の「うまい儲け方」
転職サイトやアルバイト紹介のCMを、テレビや雑誌などで見ない日はない。では、その先駆けとなった人物を知っているだろうか。江戸時代初期に実在した大和慶安という医者である。
江戸時代、職業を紹介する場所は「口入れ屋」と呼ばれていたが、またの名を大和慶安からとり、「慶安」とも称された。慶安は現在の東銀座周辺、木挽町で医師として働いていた。
その診察時間は、患者との世間話や身の上話を聞くことが大半だった。今でいう、メンタルクリニックの医師のような診察方法だったのだろう。会話の合間に嫁探しや奉公人(従業員)探しの依頼が増えていったという。それは往診に出向いても同じだった。
慶安は大変に記憶力が良く、顔も広かったため、そんな依頼を次々とこなしていったが、ついにさばき切れず、本業に支障をきたすようになった。そこで承応年間(1650年代の初め頃)に医師を廃業し、読み書きができて事務能力の高い2人の浪人をスタッフとして採用。正式に職業を斡旋するビジネスを開始した。
求人情報を台帳にまとめ、契約書を交わし、手数料を取るというビジネスモデルを作り上げていったとされている。ベンチャー企業の先駆けかもしれない。
客とグルになって危ない手口が横行し社会問題に
収入源を「口銭」と呼ばれる紹介手数料と、「判賃」と呼ばれる身元保証料の2つに設定。口銭の相場は、従業員が契約期間中に受け取る年季金の10%から15%程度。年季金は男性で年間3両(約30万円)ほど、女性で1~2両(約10~20万円)の前払いだったため、そこから上前をはねたことになる。
判賃は一律、1両の四分の一にあたる1分、今の金額にして2~3万円程度だった。江戸時代、身元のしっかりしていない人は雇ってもらえなかった。そこで口入れ屋は「この人は絶対に逃げたり盗みを働いたりしません」という契約書(請状)を作り、自らの判を押して保証人になった。
ただ、途中で仕事が嫌になり、バックレる人間もいた。その場合は口入れ屋が奉公先に返金したり、新たな人間を探すリスクが生じる。一方で、他の店では口入れ屋がわざと数日で逃げさせ、また同じ人間を別の店に何度も送り込むようなグルの手口も横行し、社会問題になった例がある。
(道嶋慶)
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