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記事全文を読む→国民をあざ笑う比例代表議席の「アキレた抜け道作り」選挙制度は政治家が飯を食うための道具ではない!
衆院選挙制度改革をめぐる与野党協議で、比例代表の議席配分方式に、中小政党が議席を獲得しやすい「サンラグ式」を導入する案が浮上している。定数削減と引き換えに中小政党への配慮をにじませる、自民党の悪癖が出たといえる。
永田町の論議は完全に世論の感覚と乖離している。いま国民が求めているのは小手先の議席獲得ゲームのルール変更ではなく、自らの身を切る改革、議員定数の大幅な削減である。
多くの国会議員は忘れている、あるいは知らないのかもしれないが、そもそも中選挙区制から現行の小選挙区比例代表並立制へと移行した原点は、政治腐敗を断ち切り、政権交代可能な二大政党制を根付かせることであり、「決められない政治」から脱却することにあった。
かつての中選挙区制の下では、同一政党から複数の候補者が乱立し、政策論争ではなく有権者へのサービス合戦に陥る弊害が深刻だった。だからこそ、選挙を通じて主権者が政権を選択し、明確な民意を背負った政権が責任ある国家運営を進める枠組みを作ったのである。政権与党の政策に異議があるならば、野党は正面から対案を掲げて次の総選挙で過半数の議席奪取を目指せばよい。
ところが現在の国会審議を見れば、重要政策をめぐる骨太の論戦は鳴りを潜め、週刊誌のスキャンダル記事をなぞったような閣僚追及が相変わらず目立つ。実のある政策議論を展開せず、貴重な審議時間を浪費し続ける議員たちの醜態に、有権者は強い不信感を抱いている。
これほど質の低い審議を繰り返す国会議員が本当に必要か
報道各社の世論調査で定数削減を支持する声が圧倒的に多いのは、これほど質の低い審議を繰り返す国会議員がはたして本当に必要なのか、という強烈な憤りがあるからにほかならない。
そうした国民の厳しい視線をよそに、いま議員たちが熱中しているのは、保身の駆け引きである。現行の「ドント式」から奇数で割る「サンラグ式」への移行案は、得票率と議席占有率を近づけて少数意見を反映させるという美名のもとで論じられている。
しかし実態は、定数削減によって議席を失うことを恐れる中小政党が生き残るための抜け道作りにすぎない。自民党側は合意形成を急ぐあまり、定数削減と抱き合わせでこの案を飲もうと画策している。
中小政党の声に耳を傾ける配慮自体は否定されるべきではないが、国家の骨格を決める選挙制度改革が彼らの延命ペースで進められる事態は、決して看過できない。
自らの議席を守るための取引を優先し、国民が求める定数削減の趣旨を骨抜きにするような談合政治は即刻、やめるべきである。選挙制度は政治家が飯を食うための道具ではない。
国会議員の都合ばかりを優先させた妥協の産物に国民が納得するはずがないことを、与野党の議員たちは肝に銘じてほしい。
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)
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