政治

宮崎謙介<巷の陳情>突撃調査隊「政治家の都合で選挙制度を決めるな」

 今回の衆院選では、入れたい候補者がいませんでした。どの候補者も政党も決め手に欠ける。どこに投票したらいいか以前に、うちの選挙区の候補者はたった2人。東京18区などは、選挙区替えによる師弟争い。小選挙区だか何だか知りませんが、自分たちの都合で「政治家のための選挙制度」に変えているようにしか思えません。

 おっ、いいですねー。こういった思いがあるということは、政治に対して志があるということでしょう。

 そもそも小選挙区制度では、候補者が少なすぎますよね。かつては中選挙区制といって10人前後の候補者がいて、その中から半分程度に絞るような選挙制度でした。今は最少で2人でしょう。

 先日、テレビ番組で政治ジャーナリストの泉宏さんと一緒になったんですが、泉さんが的確な意見を述べておられました。

「衆院選ってカツ丼か天丼かどっちか選べ、みたいな感じなんですよね。どっちも食べたくないんだけど、どうしたらいいのでしょうか」

 まったくその通りだと思います。他にも焼き魚定食やレバニラ炒め、あるいはざる蕎麦‥‥などといった選択肢がないとはホント、悲劇です。

 そもそも中選挙区選挙を経験している政治家は、ベテランしかおりません。そういったベテランは経験値が高いので、選挙なんて余裕で勝てると思っているだろうし、小選挙区になると、中選挙区よりも対抗馬が少ないことで、さらに楽になります。お金がない立候補者にしてみても、小選挙区は動きが少なくなるぶん、出費が減ってありがたいと感じています。

 僕個人としては、もしも再度議員にチャレンジするならば、お金がかかっても中選挙区制度で戦ってみたいのです。選挙運動費用がどんなにかかろうが、どこかから借りてでも思い切った政策論争をして勝ち取る、というのが理想です。

 東京18区の立憲・菅直人氏と自民・長島昭久氏の話をしましょう。民主党政権の一員を担った2人の争いでしたが、これは小・中選挙区制とは別問題です。

 元々民進党から国会議員になった長島さんは、国政に入って与党を希望してきました。そして今回の国替え(長島氏が東京21区から移動)選挙ですが、僕はむしろ大胆に振り切ったことはいいと思うのです。

 ここでイギリスの例を見てみましょう。選挙で人気が高い人は盛り下がっている選挙区に鞍替えをして、地元を盛り上げようとします。その地域は人気者が来たことで活性化し、選挙に対して国民が飽きることがありません。

 僕が議員時代、「イギリスのそれはアリです」ということを石破茂さんに提言した若手議員がいました。石破さんは「うーん、後援会の問題があるからねぇ」と一蹴。結局、日本の議員は保身優先で、革新を受け入れ難いのでしょう。

 長島さんが地域活性化のために18区に回ったわけではありませんが、立候補者は地区替え、投票者は地区超えができる、メニューの多い選挙になるのはいいことだと思います。今度、岸田総理に話してみます。

宮崎謙介(みやざき・けんすけ)◆1981年生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、日本生命などを経て12年に衆院議員に(京都3区)。16年に議員辞職後は、経営コンサルタント、テレビコメンテイターなどで活動。近著に「国会議員を経験して学んだ実生活に即活かせる政治利用の件。」(徳間書店)。

カテゴリー: 政治   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    ゲームのアイテムが現実になった!? 疲労と戦うガチなビジネスマンの救世主「バイオエリクサーV3」とは?

    Sponsored

    「働き方改革」という言葉もだいぶ浸透してきた昨今だが、人手不足は一向に解消されないのが現状だ。若手をはじめ現役世代のビジネスパーソンの疲労は溜まる一方。事実、「日本の疲労状況」に関する全国10万人規模の調査では、2017年に37.4%だった…

    カテゴリー: 特集|タグ: , , , |

    藤井聡太の年間獲得賞金「1憶8000万円」は安すぎる?チェス世界チャンピオンと比べると…

    日本将棋連盟が2月5日、2023年の年間獲得賞金・対局料上位10棋士を発表。藤井聡太八冠が1億8634万円を獲得し、2年連続で1位となった。2位は渡辺明九段の4562万円、3位は永瀬拓矢九段の3509万円だった。史上最年少で前人未到の八大タ…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , |

    因縁の「王将戦」でひふみんと羽生善治の仇を取った藤井聡太の清々しい偉業

    藤井聡太八冠が東京都立川市で行われた「第73期ALSOK杯王将戦七番勝負」第4局を制し、4連勝で王将戦3連覇を果たした。これで藤井王将はプロ棋士になってから出場したタイトル戦の無敗神話を更新。大山康晴十五世名人が1963年から1966年に残…

    カテゴリー: エンタメ|タグ: , , , , , |

注目キーワード

人気記事

1
フジテレビ・井上清華アナ「治らない顎関節症」と「致死量ストレス」の不穏な関係
2
新2軍球団「オイシックス新潟」でくすぶる元広島・薮田和樹と元阪神・高山俊の「1軍復帰ロード」
3
あの「号泣県議」野々村竜太郎が「仰天新ビジネス」開始!「30日間5万円コース」の中身
4
【ドラマ「Believe」】受刑者キムタク「スタイリッシュでカッコいい&丸刈りナシ」押し売りだらけの超ウンザリ感
5
上毛電鉄「800形」新型車両が全線営業開始!「700型」とは違う「ガッカリ&歓喜」ポイントがあった