社会

医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<夏ウツ>日照時間の長さが睡眠不足と関係!?

 急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。

 ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安、焦燥感などメンタル面の不調を伴うことも多い。

 夏ウツの主な原因は猛烈な暑さだ。近年の夏は、1日の最高気温が35~40度を超える酷暑日を記録することが多い。この夏の強い日差しは、体に負担をかけるため体調不良やストレスにつながり、夏ウツを発症しやすくなるのだ。

 日照時間も関係している。夏は日照時間が延びて、活動時間が増えるため就寝時間が遅れ、睡眠不足になりやすい。睡眠不足は、ウツの症状である気分の落ち込みや意欲低下、不安などを悪化させるおそれがあるのだ。

 一番の対策は暑さを避けることだ。屋外で長時間過ごさないように注意し、日差しの強い日中の外出は控えることがポイントだ。ウツ対策には、日の光を浴びることも重要とされているが、夏の強い日差しを長時間浴びるのは、疲労感を増加させるなどかえって逆効果になりやすい。

 規則正しい生活を送ることも重要だ。肉類や魚介類、豆類、卵、乳製品などのタンパク質や、野菜や果物などのビタミンを積極的に摂り、質のよい睡眠の確保なども、体と気持ちに負荷をかけないことにつながる

 他にも、自律神経のバランスを整えるために、ウォーキングやジョギング、ストレッチなどの「有酸素運動を行うこと」もオススメだ。熱中症や夏バテとともに夏ウツにも気をつけて夏を満喫しよう。

田幸和歌子(たこう・わかこ):医療ライター、1973年、長野県生まれ。出版社、広告制作会社を経てフリーに。夕刊フジなどで健康・医療関係の取材・執筆を行うほか、エンタメ系記事の執筆も多数。主な著書に「大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた」(太田出版)など。

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