座長を務める「熱海五郎一座」の旗揚げから約20年。「THE夜もヒッパレ」などテレビで多くの人気番組の司会を務めてきた三宅裕司が東京喜劇にこだわる理由とは? 天才テリーの番組に出るのが怖かったという。人知れず苦しんでいた時期のエピソードも初開陳した!
テリー 今度で「熱海五郎一座」も第11弾になるんですね。
三宅 そうですね、新橋演舞場シリーズは。
テリー また、いいところでやってますね。
三宅 笑いをやるにもピッタリですよ。お客さんが遠いと、後ろまで(笑いが)届くのに時間かかっちゃうんです。演舞場は横に広いから、全部が近くて、すごくやりやすいです。
テリー 場所もいいですしね。僕の実家から歩いて2分ですよ。築地だから。
三宅 じゃあ、毎回来てるんでしょうね(笑)。
テリー いやぁ、アハハハハハ。
三宅 あ、笑ってごまかしましたね(笑)。
テリー いやいや(笑)。熱海五郎一座って元々は伊東四朗さんと始めた伊東四朗一座なんですよね。
三宅 そうですね。伊東さんが出られない時に、「じゃあ、伊東じゃないから『熱海』、四朗じゃないから『五郎』にしよう」っていうことで、「熱海五郎一座」っていう名前にして。去年で20年になりました。
テリー すごいなぁ。
三宅 でも、新作を20作もやってると、だんだん設定がなくなってくるんですよね。そうしたら作家が「料理はまだやってませんよ」っていうことで、今回は料理がテーマなんですよ。また和食ブームだし、お米が高かったり、いろんな要素があるので、「これはいいな」っていうことで。
テリー なるほど。
三宅 で、そこから「料理」「復讐」「悲しい過去」とか、そういうキーワードが上がってきたんですよね。それで、「それらに共通するのは笑顔じゃないかな」っていうんで、笑顔の素敵な女優さん2人に出ていただくことになったという。
テリー 羽田美智子さんと剛力彩芽さんですよね。僕の大好きな女優さんの2人ですよ。ってる雰囲気や声のトーンとかが天然のニュアンスなんですよ。天然というとすぐ怒るんですけどね。「私は天然じゃない」「全部演技なんだ」って(笑)。
三宅 いや、すごくいいんですよ。羽田さんはほんとに持ってる雰囲気や声のトーンとかが天然のニュアンスなんですよ。天然というとすぐ怒るんですけどね。「私は天然じゃない」「全部演技なんだ」って(笑)。
テリー それは元々ご存じだったんですか。
三宅 以前、たまたまドラマでご一緒した時に、羽田さんが現場へ来ると明るくなるんですよ。よく笑うし、笑顔がすごくよくて。
テリー 僕も前にスポーツジムが一緒だった時期があって、そんなに親しいわけじゃないのに「どうも」って挨拶してくれるんですよ。2時間サスペンスとかで見ると、全然そういう感じじゃないのに。
三宅 刑事ものとかね。
テリー そうそう。だから、その時に「あ、こういう方なんだ」って、急に僕、好きになったんです。
三宅 営業笑いじゃないんですよね。ほんとの笑いを感じる笑顔なんですよ。だからね、それがすごくいいなと思って。
テリー 剛力さんは?
三宅 剛力さんはダンスができるっていうのもありますけども、やっぱり笑顔がいいんですよね。羽田さんの笑顔とはちょっと違って、笑ってるけどクールな部分もあって作り笑顔もできるというね。そうすると笑顔の裏に「悲しい過去」とか「復讐」とか、何かあるぞっていうドラマが作れるなと。それで2人に出ていただくことになりましたね。
ゲスト:三宅裕司(みやけ・ゆうじ)1951年、東京都生まれ。1979年、「劇団スーパー・エキセントリック・シアター」結成。1984年、「三宅裕司のヤングパラダイス」(ニッポン放送)で若者から絶大な支持を集める。その後「テレビ探偵団」「三宅裕司のいかすバンド天国」(共にTBS系)、「THE夜もヒッパレ」「どっちの料理ショー」(共に日本テレビ系)などの人気番組のMCを務める。2004年、東京の喜劇“軽演劇”を継承すべく「伊東四朗一座」を旗揚げ、出演と演出を行う。2006年、自身が座長の「熱海五郎一座」を旗揚げ。2014年に新橋演舞場に進出し、以降、毎年公演を行う。6月2日から27日まで、「東京喜劇 熱海五郎一座 新橋演舞場シリーズ第11弾 黄昏のリストランテ ~復讐はラストオーダーのあとで~」公演。詳しくは松竹ホームページまで。