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記事全文を読む→森永康平「『減税のための財源』その考えを変えなきゃ」/テリー伊藤対談(3)
テリー せっかくですから、ちょっと経済的なことも伺いたいんですけど。
森永 もちろん、どうぞ。
テリー もうすぐ参院選ですよね(※この対談が行われたのは5月7日)。各党が減税を言い始めてますけども、これはどう見てますか。
森永 減税はやったらいいと思いますけど、僕がダメだと思うのは、「減税のための財源を探す」って言うんですよ。それって意味がないっていうか。減税のために財源を探すということは、どこかが増税になるわけですから、結局「行って来い」になっているだけで、それだと政策に全然なっていないわけですよ。例えば「痩せるために朝は食べません」と。「でも、お腹が減るから夜はいっぱい食べます」みたいなことを言ってるわけだから、その考えを変えなきゃいけないんですよ。減税するなら財源とか言わないでやりなさいよと。そういう政策の考え方がこの30年間、できていないんですよ。
テリー 今度の参院選で自民党も減税するって石破総理が言いましたよね。ちょっと前は、そんなこと口が裂けても言わなかったけれども、これだけ旗色が悪くなったら言い出しちゃって。子供や孫世代にツケが回るのがわかってるのに、何でそんなことを言うのかと思うんですけど。
森永 まず自民党がこのタイミングで公約に減税を掲げていること自体が、僕はおかしいと思っていて。今、国会の会期中ですから、本気で減税をするなら、「公約に掲げる前に今やれよ」っていう話なんです。なぜ今の国会でやらずに公約に掲げるかって言ったら、やる気がないからですよ。言っておかないと参院選で負けるから言ってるだけです。
テリー あれは言っているだけですか。
森永 言っているだけです。もし、参院選で勝ったら減税なんかやらないです。今、国会中なんですから、やる気があるなら、今、法案を書けばいいわけですよ。それをやらないということは、「どう考えたって、やる気ないですよね」と。
テリー なるほど。じゃあ消費税とかガソリン税は‥‥。ガソリン税はやるかな。
森永 でも、今のところ補助金を10円出すだけで。
テリー セコいよね、10円って。
森永 だから、どうしても減税したくないんでしょうね。
テリー 補助金ということは、基本給は上げないで、ボーナスをちょっとだけ出すみたいな。
森永 そうです、そうです。まさにそういうパターンでこの30年やってきているんですよ。減税やるなら、意味のないやり方じゃなくて、本気でやりましょうよと。それができないんですよね。結局、家計と一緒の考え方をしてしまっているんです。
テリー どういうことですか。
森永 例えば年収500万円のお父さんが「ベンツに乗りたい」「タワーマンションに住みたい」と。そうすると「そんな身の丈に合わないことをやったら破産するに決まってるから、収入の範囲でやりましょう」っていうのは、家計の場合の当たり前の考え方ですよね。で、その発想を国に当てはめているんです。だから、「減税するなら、その分をどこかで増税してプラスマイナスゼロにしなきゃダメですよね」っていう考え方になる。それを日本はこの30年間、ずっとやってきたわけです。
テリー それって日本だけなんですか?
森永 日本だけです。他にそんなことやってる国はないですよ。他の国は減税する時は減税するんですよ。
テリー その財源はどうするんですか。
森永 だから、「そのための財源」って言わないんです。その結果、いわゆる「国の借金」が増えるからダメだって言う人がいるんですけど、他の国も増えているんですよ。減っている国なんてないんです。その考え方が全然わかっていない。
テリー そうなんだ。
森永 政治家や官僚にそういう人たちが多すぎて。僕はそれがこの30年、日本が停滞した原因のひとつだと思っています。
ゲスト:森永康平(もりなが・こうへい)1985年、埼玉県生まれ。証券会社や運用会社にてアナリストとして株式市場や経済のリサーチ業務に従事。その後、インドネシア、台湾などアジア各国で新規事業の立ち上げや法人設立を経験し、事業責任者やCEOを歴任。現在、「株式会社マネネ」CEO。日本証券アナリスト協会検定会員。経済産業省「物価高における流通業のあり方検討会」委員。ユーチューブチャンネル「森永康平のリアル経済学」「森永康平のマネネTV」を運営。「EXECUTIVE FIGHT」55キロ級初代王者。近著に父・森永卓郎氏との共著「この国でそれでも生きていく人たちへ」(講談社)。
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