芸能

ブラザー・コーン「ディスコで『ちょっと表に出ろ』」/テリー伊藤対談(1)

 お笑いからキャリアをスタートさせ、「バブルガム・ブラザーズ」でミュージシャンとしても大成功を収めたブラザー・コーン。ディスコに入り浸った10代からこれまでを振り返った半生記を上梓した。天才テリーもうらやむ青春時代とは? あの熱い時代が蘇る!

テリー いよいよ本が出ましたね、「WON’T BELONG」。

コーン そうですね。「バブルと泳いだ人生」っていうサブタイトルです。

テリー たしかに一番泳いでた頃だよね。

コーン そうですね。

テリー こういう本は初めてでしょう? 何でこのタイミングで出そうと思ったんですか。

コーン 2、3年前に乳がんになって。その時に、「もう今年70歳だし、1冊ぐらい出したいな」って思っていたら、女優の小栗香織さんと会う機会があって。「私、実は本のプロデューサーもやってるんです」って言うから、「俺、出したいんだけど」って相談したら、講談社さんに話つけてくれて、「じゃあ、やりましょう」っていう。

テリー この本読むと、いい青春時代を送ってますよね。ディスコには毎日行ってたんですか。

コーン 10代の後半は新宿のディスコに入り浸ってましたね。ジ・アザーとかGET、ソウル・トレイン、BP、螺旋階段。とにかくいろんなところに行ってたんで。

テリー そういう遊びってお金かからないの?

コーン 当時のディスコは300円なんですけど、週に2、3回行くと、高校生でも結構キツかったですね。だから清掃業のバイトとかをやってました。

テリー で、朝まで遊ぶ?

コーン いや、当時は夜の11時ぐらいで閉まっちゃうんで。でも土曜日になると、お昼の12時からずっとやってるから、当時流行ってたマジソンバッグに私服を入れて、高校が終わったら新宿のトイレでみんなで着替えて行ってましたね。

テリー 楽しそうだなぁ。当時はどんな曲がかかってたの?

コーン 当時はディスコ全盛期のちょっと前だから、ジェームス・ブラウンとかテンプテーションズとか、リズム&ブルースばっかりですね。曲によって全部ステップが違うんで、それを一生懸命覚えて踊るんですよ。でも、新宿と六本木だとステップが微妙に違うから、六本木に行って新宿のステップで踊ってると「お前、新宿だろう」ってバレて、「ちょっと表に出ろ」って言われたり。

テリー ええっ! そんなのあった?

コーン あったんですよ。逆に六本木の奴が新宿で踊ると「お前、六本木だろう。六本木の奴が来るんじゃねえよ」ってモメたり。

テリー へぇ。コンちゃんは何で新宿だったの? 六本木のほうが華やかそうじゃない。

コーン 当時の新宿は老舗のディスコが多くて、六本木はちょっとミーハーチックな人間が多かったんですよ。特に六本木のエンバシーっていうディスコは黒人とそれを追っかける女性ばっかりで、僕らが行っても「あっち行け」みたいな感じで。まだ小僧だったし。

テリー なるほどね。で、ディスコで遊んでるうちに、ミュージシャンになりたいと思うようになるんですか。

コーン いや、それが全然思ってないんですよ。ただ、曲は全部覚えていて。「ウイナーズ」っていう六本木のレコード屋さんに行くと、マスターがどこに何が置いてあるか全部把握してるんですね。「出たばっかりのジェームス・ブラウンのアルバム」って言うと「後ろの2段目の4枚目」って、自分の作業をやりながら言って、行くと本当にあるんですよ。

テリー すごいな。職人だね。

コーン あと、新宿だったら紀伊國屋書店の上にレコードショップがあって。そこで輸入盤を買ったりして、音楽は好きでしたね。

ゲスト:ブラザー・コーン(ぶらざー・こーん)1955年、東京都生まれ。大学在学中の1981年、あのねのねが司会の「とびだせものまね大作戦」(フジテレビ系)に出演し、後に清水国明に弟子入り。コミック歌手などを経て、1983年、ブラザートムと「バブルガム・ブラザーズ」結成。1990年、「WON’T BE LONG」が大ヒット、紅白にも出場した。2000年代前半、腎不全を患うが、妻の腎臓を移植し復帰。2023年、乳がんと診断されたことを公表した。初の著書「WON’T BE LONG バブルと泳いだ人生」(講談社/Kaori Oguriプロデュース)発売中。

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