テリー 本を出すきっかけのひとつが「乳がんになったことだ」って最初に言ってましたけど、本の中に病気のことも書いてますね。
コーン そうですね。最初は腎不全になって、次に前立腺がんになって、今度は乳がん。冗談で「俺は病気のデパートだ」って言ってますけど。
テリー 腎不全は奥さんの腎臓を移植して治ったんですよね。奥さんに支障はないんですか。
コーン まったくないんですよ。腎臓って2つあるんで。女房はどこも悪くない感じなんです。
テリー それって医者から提案されるんですか。
コーン そうですね。最初は血液型も抗体も違うんで、そんなことできないのかなと思ったんですよ。そしたら、「コーンさん、今そんな時代じゃないんだよ」って言われてビックリして。
テリー でも、奥さんも覚悟がいるよね。
コーン その話を聞いた時、女房もそばにいたんですよ。そしたらもう大喜びで。「よかったじゃん、私のあげられるじゃん」みたいな。
テリー いい奥さんだなぁ。もう頭上がらないね。
コーン 上がらないです。昔、キャバクラとかで飲んでる時に「腎臓が痛み出すから、そろそろ帰らなきゃ」っていうギャグを言ってたんですよ(笑)。
テリー もうずっと見張られてるみたいなもんだよね。でも、今度は乳がんになっちゃったんだ。
コーン そうです。
テリー 俺なんか全然知らなかったんだけど、男性でも乳がんになるんだね。
コーン おふくろも乳がんになったんですけど、やっぱり遺伝で、100人とか1000人に1人とかっていう確率で男性もなるらしいですね。
テリー 何がきっかけで見つかったの?
コーン 背中に脂肪の塊ができて、町医者に取りに行って3針縫って。それを病理(検査)にかけたら何ともなくて「ああ、よかった」と思って、10日後ぐらいに体を洗ってたら今度は左乳首の横にゴリッていう感触があって、「あれ? また脂肪の塊ができたのか?」と思って、同じ町医者に行ったら、「ここは場所が違うから乳腺外科に行って調べたほうがいい」って言われて。そしたらステージⅡだったっていう。早期発見でよかったんですけど。
テリー ねぇ。今はどんな状態なんですか。
コーン 去年12月に抗がん剤を14回やって、今はどんどんよくなってきて。でも抗がん剤をやめると、1回ドーンと体重が落ちるんですよ。この前も17キロぐらい落ちて、今は10キロぐらいまで戻ったんですけど。
テリー 食べ物に制限は?
コーン いや、メチャメチャいろんなものを食べてます。食欲は人一倍あるんで。ただ、中華が好きで、餃子とか脂っこいものばっかり食べてるんで、これから食べるものに気をつけなきゃと思ってます。
テリー そうだよね。体を大事にしないと奥さんにも申し訳ないから。
コーン ほんとですね。
テリー じゃあ、最後に改めて、この本の読みどころを教えてください。
コーン こんなコンプライアンスの時代ですけれども。それがあるから今があるのか、それとも昔があったから今があるのかっていうような、その違いをこの本で確かめていただけたらいいな、というのがひとつと。
テリー はい。
コーン 「遊び」っていうのは何なのかっていうことを、もう1回見つめ直したほうがいいんじゃないかなと。自分はずっと真剣に遊んできたと思ってるんですけど、遊びって間違えると、ほんとに捕まっちゃったり、仕事をなくしちゃったりするんで。だから、この本を読んでいただいて、もしちょっとでも勉強になることがあればいいなと思いますね。
テリーからひと言
コンちゃんとは昔から仲よくさせてもらってるけど、本を読んで改めていい人生を送ってきてるなと思ったな。昭和のいい時代の話。ぜひご一読を!
ゲスト:ブラザー・コーン(ぶらざー・こーん)1955年、東京都生まれ。大学在学中の1981年、あのねのねが司会の「とびだせものまね大作戦」(フジテレビ系)に出演し、後に清水国明に弟子入り。コミック歌手などを経て、1983年、ブラザートムと「バブルガム・ブラザーズ」結成。1990年、「WON’T BE LONG」が大ヒット、紅白にも出場した。2000年代前半、腎不全を患うが、妻の腎臓を移植し復帰。2023年、乳がんと診断されたことを公表した。初の著書「WON’T BE LONG バブルと泳いだ人生」(講談社/Kaori Oguriプロデュース)発売中。