社会
Posted on 2026年05月19日 06:45

なんと93万枚も!日本人はなぜ「マイナンバーカード」を返納するのか「統一IDカード」必須な国との決定的な違い

2026年05月19日 06:45

 会計検査院の調査で、マイナンバーカードを取得後に「本人希望・その他」を理由に返納したケースが、2025年7月末時点で約93万枚に上ることが明らかになった。政府は健康保険証との一体化や行政手続きのデジタル化を進め、「国民インフラ」として定着させたい考えだが、現実には「作っただけ」「使わないから返納」という人が少なくない。

 そんな日本のマイナンバーカードと似た制度を持ちながら、成人国民への普及率が極めて高い国がある。日本人にとって身近な海外旅行先のひとつである、東南アジアのタイだ。
 この国のIDカードは銀行口座の開設、病院受診、携帯電話の契約、行政手続きなど、日常生活のあらゆる場面で提示が求められる。18歳以上は保有が事実上の必須条件となり、「持つかどうかを選ぶカード」ではなく、「社会参加のための基本装備」とされる。

 これに比べ、日本では長年、運転免許証や健康保険証、住民票など複数の証明書で社会が回ってきた。つまりマイナンバーカードは「後発組」だ。なくても生活できる以上、「便利そうだから作ったが、結局は使わない」という人が出やすい。

 そして「国家による一元管理」への警戒感は大きい。マイナンバー制度導入時から「個人情報が紐付けされる」「監視社会につながる」との反発は根強かった。
 タイでは統一IDによる行政管理への抵抗感は比較的小さく、「便利ならOK」という実務感覚が強い。

日本では「生活必需品」ではなく単なる「便利ツール」

 日本では普及促進策として「マイナポイント」が大々的に展開された。だが、ポイント目当てで取得したものの、その後ほとんど使わない人は多い。タイのIDカードが「生活必需品」であるのに対し、日本のマイナカードはまだ「便利ツール」の域を出ていないのだ。

 タイでは「カードを持てば、あらゆる手続きが簡単になる」という実感が国民に浸透している。窓口をたらい回しにされず、病院も銀行も同じIDで通る。つまり便利さを先に体感させたことで、制度への定着に成功したのだ。
 日本は逆に「まずカードを作ってください」という発想が先行し、国民側にメリットが十分に伝わらなかった。

 日本政府は保険証や運転免許証との統合を進めており、目指す方向はタイ型に近い。なのに日本では「便利さ」よりも「不安」が語られやすい。
 93万枚も返納された事実は単なる制度利用の問題ではなく、日本人の国家観や個人情報意識を映し出す鏡なのだ。

(カワノアユミ)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    芸能
    2026年05月27日 12:30

    問題発言をめぐる「あの×鈴木紗理奈」のバトルが、第2ラウンドに突入しようとしている。大騒動の発端となったのは、歌手・タレントのあのが出演する冠番組「あのちゃんねる」(テレビ朝日系)の、5月18日深夜の放送だ。お題に答えてシュートを決めるゲー...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    芸能
    2026年06月02日 12:30

    黒谷友香、市川由衣、勝地涼らが相次いで所属事務所から退所するとの発表が5月31日にあったが、一夜明けた6月1日、とんでもないトラブルに発展しそうな若手女優の事務所退所騒動が起きた。その女優は尾碕真花(おさき・いちか)。自身のインスタグラムで...

    記事全文を読む→
    カテゴリー:
    スポーツ
    2026年06月03日 11:45

    通称「ゾンビたばこ」と呼ばれる指定薬物問題「エトミデート」事件で揺れる広島カープが「危険水域」に入っている。昨年12月に自宅で吸引使用した羽月隆太郎元選手は拘禁刑1年、執行猶予3年の実刑判決が確定。さらに自らTikTokで動画配信を行い、「...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2026/5/26発売
    ■650円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク