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記事全文を読む→「現代用語の基礎知識」にも載った柳沢敦の「QBK」騒動/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
2006年6月18日、その「事件」は日本中のサッカーファンが固唾を飲んで見守る中で起こった。
この日、ドイツで開催されていたサッカーW杯1次リーグ第2戦(クロアチア戦)に臨んだのは、日本代表だった。第1戦でオーストラリアに1-3と惨敗した日本としては、決勝トーナメント進出のために絶対に落とせない試合だ。
互いに無得点のまま迎えた後半6分。右サイドのDF加地亮から、ゴール前でフリーになっていた柳沢敦にボールが渡った。相手GKは加地につられ、ゴールは無人の状態。ところが柳沢が右足アウトサイドでシュートを打つと、これが大きく右に外れる。結局、試合は0-0のドローに終わった。
柳沢はFW高原直泰とともに、日本のエースとして君臨。1戦目に続き、2戦目も先発出場したのだが、フリーの位置に詰めながら、わざわざ難易度の高い右足アウトサイドを選択した。その結果、決定機を逃してしまったことに、集中力を欠いたパフォーマンスではないのか、と日本中のファンからブーイングが沸き起こることになったのである。
コトはそれだけで収まらなかった。試合後のインタビューで何を思ったのか、柳沢はこんな言葉を口にしたのである。
「僕のシュートチャンスはあの1本だけだった。急にボールが来たので。足の内側で蹴ればよかったが、外側で蹴ってしまった」
この「急にボールが来たので」発言は「QBK」というネットスラングに略され、瞬く間に拡散。「2ちゃんねる」に立ったスレッドには「急にボールが来て入らなかったらもうどうにもならんな」「パスするときはアポを取ってから?」「加地が悪い!人に向かって急にボールを蹴るなんて」といったコメントが並ぶ。「流行語大賞は『QBK』で決まりだな!」といったものまで…。
だからなのかはわからないが、「現代用語の基礎知識2007年版」には、この「QBK」がしっかりと掲載されることに。用語解説にはこうある。
〈柳沢敦選手の名言。ドイツスポーツ紙ビルトによって「芸術作品」とまで評された〉
柳沢は以降、自らこの話題に触れることはなかったが、2011年2月、プロ16年目で新天地・仙台を選び、キャンプ地の宮崎で鹿島同期入団の平瀬智行と対談した際に、
「そう言ったかは記憶にないんだよね。まあ言ったから、そう出てるんだろうけど」
2014年シーズンを最後にユニフォームを脱ぐと、鹿島アントラーズのコーチに就任。2025年シーズンからは鹿島のトップチームコーチとして活躍しているが、「Q(急に)B(ボールが)K(来た)」は今なお伝説の迷コメントとして、サッカーファンの記憶に残っている。
(山川敦司)
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