「個室ビデオ」というものをご存じだろうか。マンガ喫茶に近いサービスに加え、オトナのビデオが置いてあるのが特徴だ。自慰ありきで鑑賞できる個室があり、オナカップも販売している。実は仕事の合間に個室ビデオで空き時間を潰す芸人は多い。
オードリーの春日俊彰によると、
「漫画喫茶の個室よりもちょっと広めで。寝っ転がりもできるし、テレビのモニターはデカいし。漫画喫茶の大人版みたいな。『個室ビデオのおかげで結婚生活が成り立ってる』みたいなこと言う人もいるしね」
同じくオードリーの若林正恭もこう語る。
「俺さ、結婚して思ったけどさ、個室ビデオってさ、マジで発明だよな。あれ、スゴいと思う。キャバクラとかに行ってたらさ、『子供がいて大変なのに』ってなっちゃうかもしれない。世の中がさ、縛りがキツイじゃん。でも個室ビデオってさ、本当、結界が張られてるよな。だって何もまずいことないし。ひとりの時間は必要だし。どの先輩かは言えないけど、『結婚しても遊んでます』みたいなタイプじゃない人たちは『個室ビデオいいぞ、結婚したら個室ビデオだから』って」
既婚者のハライチ・澤部佑もそのクチだ。個室ビデオをこよなく愛し、最大で12時間も滞在。カップラーメンを3回食べたことがあるという。
先の若林からは「個室ビデラー」と呼ばれているほどであり、澤部クラスのヘビーユーザーともなれば、行きつけの店で心を激しく揺さぶられてしまうことがあった。澤部本人が赤裸々に告白する。
「いつもみたいにDVDをレジに持ってって、慣れた感じで『スタンプお願いしまーす』って。で、部屋番号を言われて、カゴを渡されたの。いつもならそのまま『ごゆっくりどうぞ』みたいな。でも、いきなり店員さんが『4月24日の土曜日をもちまして、閉店させていただきます』って言い出すの。『えっ、マジで!?』って。赤坂で俺がいちばん行ってた個室ビデオ。店員さんが集まってきてくれて、俺に深々とお辞儀して『本当にお世話になりました』って。どうすんだって、俺のこの赤坂ライフ。スタンプやっとため始めたのに。俺はどこでトーク考えればいいんだよ。グーッて感情的になって、泣きそうになっちゃって」
動揺はしたものの、悲しみと感謝が入り混じった状態で個室に入った澤部。何事もなかったかのように、しっかりと自慰は済ませたという。
(坂下ブーラン)
1969年生まれのテレビディレクター。東京都出身。専門学校卒業後、長寿バラエティー番組のADを経て、高視聴率ドキュメントバラエティーの演出を担当。そのほか深夜番組、BS番組の企画制作などなど。現在、某アイドルグループのYouTube動画を制作、視聴回数の爆発を目指して奮闘中。