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記事全文を読む→米CIA長官が明かした「ウクライナAI戦線」の劇的実情…ロシア新兵の平均生存時間は「20~30分」
「ウクライナ兵の姿なんて一人も見なかった。見えたのは、空を埋めるドローンの群れだけだった」
投降したロシア兵のこの言葉は、現代戦の冷徹な現実を物語る。敵兵と撃ち合った末に捕まったのではない。人間の姿を確認する前から、上空の無人機に行動を見張られていたというのだ。
米CIAのジョン・ラトクリフ長官は、ウクライナ前線に送られたロシア新兵の平均生存時間について「20~30分」との推定を示した。算出方法や対象部隊は明かされていないが、前線に入った直後から命を狙われる状況は、現地から伝わる証言と重なる。
兵士が物陰へ走る。車両から降りる。負傷者を運び出す。かつてなら、敵に見つからないよう慎重に行動すればよかった。今はその動きそのものが上空のカメラに捉えられ、攻撃対象となる。
この戦場をさらに過酷にしたのが、AIを組み込んだドローンである。従来のFPV(一人称視点)ドローンには弱点があった。ロシア軍が強力な妨害電波を出し、操縦者との通信を遮断すれば、機体は標的を見失いやすかった。
ところがAI搭載型は、操縦者がカメラ映像から標的を指定すると、画像を認識して自動追尾する。通信が途切れても、AIが標的を最後まで追い詰めるのだ。
ウクライナ軍の操縦士は激しい電波妨害の中、約20キロ先のロシア軍戦車とみられる標的をAI支援で攻撃したと証言している。かつて有効だった妨害電波だけでは、攻撃を完全に防げなくなりつつある。
前線上空では、数百ドル程度の小型ドローンが一日に数千機も飛び交う。狙われるのは戦車だけではない。兵士の交代、弾薬や食料の補給、負傷者の搬送まで、軍を維持するための活動が攻撃にさらされる。
100社以上の企業が実戦環境で撮影された画像でAI開発
現代戦では、かつてロシア軍が得意としてきた、戦車や装甲車をまとめて前進させる攻撃は通用しない。開けた場所へ出れば、車両はすぐに発見される危険がある。そのため、少人数の歩兵を分散して送り込む戦いが増えた。総兵力や装備で勝っていても、それを一度に投入できなければ、数の優位をそのまま攻撃力には変えられない。
しかもAIドローンは日々、進化している。戦場で集めた映像をもとに、標的を見分ける精度が高められているのだ。
ウクライナ国防省によると、100社以上の企業が実戦環境で撮影された可視光画像や熱画像をAI開発に利用。別の開発基盤には、数万回の戦闘飛行で撮影された映像を切り出し、地上や空中の標的にマークを付けた数百万コマの画像が蓄積されている。ロシア軍が新しい迷彩や妨害装置を投入すれば、ウクライナ側もデータを分析し、認識ソフトを更新する。戦場での失敗や見逃しが、次のドローンを改良する材料になるのだ。
CIA長官が示した「20~30分」は、大げさな数字とは言い切れない。敵兵に会う前から大量のドローンに囲まれたというロシア兵の証言は、その脅威を十分に物語っている。
(ケン高田)
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