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記事全文を読む→最新ロシア軍「光ファイバーの糸を吐いて」低空を這うように飛ぶ…ウクライナの戦場「ドローン攻撃」異形兵器
前線に無数の「光る糸」が張り巡らされている。ウクライナの草地や木々に絡みつく極細のケーブル。長さは1本あたり最大20キロ。飛び終えたドローンが地上に残していったものだ。この糸を編み込んだ鳥の巣まで見つかった、とロイター通信が伝えている。ドネツク、ハルキウ、ザポリージャという前線のウクライナ3州に共通する光景である。
なぜ、このようなものが散乱しているのか。ここにロシアが加速させる無人兵器の秘密が存在する。通常のドローンは電波で操縦するため、妨害電波を浴びると映像や操縦信号が途切れることがある。そこで登場したのが、機体から極細の光ファイバーを繰り出しながら飛ぶ「有線式」だ。
光信号は電波妨害の影響を受けにくい。糸で操られる人形のような操縦方式が、電子戦を無効化する切り札になった。ロシア軍が先行し、ウクライナ軍が追随。両軍合わせて日々、大量のドローンが糸を吐き出しながら飛ぶ。地面のケーブルは、その痕跡なのだ。
ロシアは今、本格的な攻撃機にまでこの方式を持ち込みつつある。固定翼型の攻撃ドローン「モルニヤ」への光ファイバー搭載は、少なくとも2025年8月以降に報告されてきた。さらにこの7月には、航続距離を最大50キロに伸ばした新型の試験情報が飛び込んできた。伝えたのは、ウクライナ国防相顧問で無線技術専門家のセルヒー・ベスクレストノフ氏だ。
最大10キロの弾頭を積み、高画質映像を送りながら低空を這うように飛んで、障害物を避ける仕組みだという。ベスクレストノフ氏は、ロシアが量産計画を進めていると語る。あくまで試験段階と報じられているが、事実ならば、ウクライナ側の後方深くまで忍び寄る攻撃機が誕生することになる。
ひとつの無人車両に輸送・負傷兵救出・除雪・射撃訓練用標的・戦闘の機能
地上でも異形の兵器が動き始めている。ロシア国営防衛企業ロステック傘下で開発された無人車両「デペシャ」だ。遠隔操作で走り、通信の安定のため、光ファイバー回線も使える。ロステックによれば、食料や燃料、装備を運ぶだけでなく、負傷兵の搬送にも使え、車輪型は最大200キロの荷を積む。オフロード車の荷台に載るほどの大きさで、ロシア国防省に納入され、複数の派生型がウクライナ侵攻地域で試験中だ。
6月には除雪用と、射撃訓練用標的を載せたタイプまで登場した。戦闘モジュールを積む「デペシャ3」の試験も並行して進む。輸送、負傷兵救出、除雪、標的、そして戦闘。ひとつの車体が次々と顔を変えていく。
空でも新型がお目見えした。ロステックは7月、無人機「サターン30」「サターン10」を初公開。上位機のサターン30は時速180キロで飛び、高度3000メートルまで上昇、最大7キロの荷を積んで1時間、空にとどまる。
小型のサターン10は30分の飛行中、搭載カメラが地上の物体を見つけて識別し、追いかける。両機を飛ばすのは、機械視覚とAIによる自律制御だ。ロステックは民間用途を前面に押し出しているが、監視も物資輸送もこなす機体である。
光ファイバーの糸を引く攻撃機、地面を這う無人車両、AIが自ら飛ばす監視機。ロシアは空と地上の両面で、無人兵器の顔ぶれを一気に広げている。映画で見た光景が今、ウクライナの前線で現実になりつつあるのだ。
(ケン高田)
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