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記事全文を読む→「ゼレンスキーVSプーチン」ウクライナ戦線「光ファイバーFPVドローン」攻撃を阻止する最後の砦は「近づいて網発射」超原始的ランチャーだった
AI支援の標的追尾、電子戦、ジャミングを避ける光ファイバー式FPVドローンまで登場したウクライナ戦線。その塹壕で兵士が最後に手にするのは、ミサイルでもレーザー兵器でもない。なんとも小さな道具だった。
FPVドローンとは、操縦者がゴーグル越しに機体搭載カメラの映像を一人称視点で見ながら操縦する、小型機のことだ。市販のレース用ドローンを土台に爆薬を積み、狙った標的へ体当たりさせる自爆型の兵器として、ウクライナ戦争で一気に広まった。一機あたり数百ドル程度という安さと、量産のしやすさが最大の特徴である。
その最後の砦として登場したのが「プタシュカ」と呼ばれる携帯式ネットランチャーだ。3Dプリント部品を含む本体に単発式の発射機構を組み込み、ネット入りのカートリッジを装着する。
飛来するFPVドローンに向けて撃つと、3.5メートル四方ほどのネットが空中で展開され、プロペラに絡みついて墜落させる仕組みだという。射程は25~30メートルほどとされる。
ただし、実弾を積んだFPVなら、ネットで絡め取っても落下地点で爆発や破片被害が起きる危険がある。開発陣が「撃った後はドローンと反対方向に地面へ伏せろ」と助言しているのは、この道具が命綱であると同時に、諸刃の剣であることを物語っている。
ここに現代戦の皮肉がある。ドローンはAIによる標的追尾機能を備え始め、電波妨害をものともしない光ファイバー誘導まで実用化された。ところがそれを止める最後の一手が、原始的な「網」に行き着いている。戦争が高度化した果てに、捕獲道具という古典的な発想へと回帰しているのだ。
際立つ東芝ドローン・セキュリティー・システムとの「差」
日本の東芝が手がける対ドローン・セキュリティー・システムと比べると、この落差はより際立つ。東芝の仕組みはこうだ。レーダーで不審ドローンを検知すると自律型の捕獲用ドローンを発進させ、機体搭載のレーダーで追尾した上でネットガンを発射して捕らえる。重要施設などを守るための、整然としたシステムだ。
一方、ウクライナ戦線のネットランチャーには、高価なセンサー網も迎撃ドローンもない。兵士が自分の目で敵機を見つけ、最後の数十メートルで一発を撃つだけの、泥臭いシステムである。
その必要性を生んでいるのが、FPVドローンの脅威そのものだ。安価な機体が戦車や装甲車だけでなく、塹壕の兵士ひとりひとりを直に狙う。前線の死傷者の半数以上がドローンによるもの、との分析もある。高額な迎撃ミサイルで一機ずつ落とすのは割に合わず、電子戦も万能ではない。だからこそ安く、軽く、誰でも扱える物理的な対処法が求められているのだ。
現代戦はAIやセンサー、自律兵器によってどこまでも高度化していく。だが爆薬を抱えた小型ドローンが目の前に迫った瞬間、兵士を救うかもしれないのは、古典的な網なのだ。
戦争の進化は必ずしも、未来的な兵器を生むわけではない。時にそれは、人間を原始的な武器使用へと引き戻す…。
(ケン高田)
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