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記事全文を読む→改定版「青春18きっぷ」に1日ずつ使える自由を取り戻す「九州満喫きっぷ」デジタル版の新システム
「青春18きっぷ」の販売枚数が落ち込んでいる。2023年度は約62万枚だったが、2024年度は約42万枚、2025年度は約24万枚と右肩下がり。およそ2年で6割減という数字は、長年の定番商品としては異例である。
2024年冬に行われた利用方法の大幅な変更、これが激減の要因だろう。以前は有効期間内であれば好きな日に1日ずつ使えたため、今週末に日帰りで1回、翌月にもう1回…といった使い方ができた。1枚を仲間と分け合うことも可能だった。
ところが現行の制度では、3日間用なら連続3日間、5日間用なら連続5日間で使い切る必要がある。複数人での利用もできなくなった代わりに、自動改札機には対応した。
まとまった休みを取りにくいサラリーマンにとって、連続3日以上の鉄道旅行は宿泊費もかさみ、ハードルが高い。天候や仕事の都合に合わせて日程を変える柔軟さも失われた。こうした層が離れたことが、販売減少に大きく関係しているといえよう。
もっとも、普通列車の本数減少や宿泊費の上昇、旅行スタイルの多様化なども重なっており、連続利用制への変更だけが全てとは言い切れない。加えて2023年度は5回分が1枚だったのに対し、現在は3日間用と5日間用に分かれているため、枚数だけで利用日数を正確に比較することができない。それでも購入件数自体が大幅に減ったことは確かだ。
では、失われた「1日ずつ使える自由」を取り戻す手がかりはあるのか。JR九州が2026年9月1日に発売するデジタル版「旅名人の九州満喫きっぷ」に、その光明が見えてくる。
アプリ上で3日分の利用権を個別に管理し、使う日にその日の分だけ利用を開始する仕組みだ。対応駅ではQRコードを改札機にかざし、それ以外の駅ではアプリ画面を係員に提示する。紙に押印して残り回数を確認していた作業が、デジタルに置き換わるわけだ。
関東の鉄道8社がQR乗車券情報を共通サーバーで管理
この方式を応用すれば、「青春18きっぷ」でも利用権を回数分に分け、使った日数だけ消費する形は技術的に成り立つ。関東の鉄道8社がQR乗車券の情報を共通サーバーで管理する計画を進めていることも、会社をまたぐQR管理のハードルが以前より下がりつつある傍証になる。
もっとも、課題は技術面にとどまらない。「青春18きっぷ」はJR旅客6社の共通商品であり、制度変更には全社の合意が欠かせない。QR対応改札のない駅や無人駅の扱い、通信障害時の運用についても、全国統一のルール整備が求められる。アプリを使えない利用者への対応も残る。非連続利用を復活させるかどうかはつまるところ、経営判断の問題だ。
旅名人の九州満喫きっぷは、利用権をデジタルで1日ずつ管理する仕組みをすでに実用化している。約2年で販売枚数が大きく落ち込んだ今、かつての自由な使い方をデジタルで取り戻すことが、「青春18きっぷ」を立て直す選択肢のひとつになるかもしれない。
(ケン高田)
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