社会
Posted on 2026年10月04日 18:00

六代目山口組VS神戸山口組 終結までの因縁死闘3430日(1)神戸山口組との指定解除が延長

2026年10月04日 18:00

 六代目山口組と池田組、絆會との特定抗争指定が解除され、後は神戸山口組との指定を残すのみとなった。分裂が発覚した15年8月から「最後の抗争事件」が起きるまでの3430日においては、数々の因縁をはらんだ死闘が繰り広げられてきた。分裂の完全終息が近づく今こそ、その軌跡を振り返ろう。

 六代目山口組(司忍組長)と池田組(池田孝志組長)に対する「特定抗争指定」が解除される9月8日、本誌は岡山市内の六代目山口組直系の二代目大石組(井上茂樹組長)本部に向かった。

 到着して早々に岡山県警の捜査員4人が現れ、午前10時ちょうどに「この事務所に立ち入り、又はとどまることは禁止」と赤字で書かれた標章に手をかけ、玄関や勝手口など計4カ所から一斉に取り外した。地元関係者が言う。

「作業はものの数分で終わったとはいえ、粘着性の強いテープで貼りつけられていたため、剥がすのに苦戦する姿もあった。それだけ使用禁止状態に置かれた歳月の長さを感じさせました」

 小雨が降る中、大石組組員2人が立ち会い、本部が開放される瞬間を見守った。地元関係者はこう言う。

「雨漏りもあり、使用禁止前の状態に戻すには最低でも1週間はかかるのではないか」

 同様に岡山市内では池田組本部からも標章が取り外された。また、六代目山口組系では大石組のほか、五代目山健組(組長=中田浩司若頭補佐)傘下組事務所など7カ所が開放されたという。こうして22年12月から続いた両組織への特定抗争指定は終了した。

 六代目山口組は池田組に続き、絆會(織田絆誠会長)との特定抗争指定も同21日に解除されたばかり。残るは神戸山口組(井上邦雄組長)との指定だけとなった。

 完全解除まで秒読みかと思われたが、10月6日の指定期限を前に3カ月の延長が決定。分裂抗争の発端を作った神戸山口組に対しては当局も異なる判断をしたようだ。

 11年前の8月、六代目山口組と袂を分かち旗揚げされた神戸山口組から聞こえてきたのは、「山口組の改革がなされた後に、我々は本家に戻る」という「外からの改革」への覚悟の声であった。

 一方、神戸山口組はメディアなどを通じて「我々は喧嘩をするために離脱したのではない」と牽制していたため、一部で話し合いによる決着を見せるのではとの憶測も流れた。

 しかし、それとは裏腹に互いの傘下組織がぶつかり合い、毎日のように日本のどこかで抗争事件が発生するようになるにつれ、ささやかれた早期決着は遠のいていく。組事務所への車両特攻や火炎瓶攻撃はもとより、街中で鉢合わせての乱闘や、高速道路で発砲を含むカーチェイスなど、一般社会の生活圏までもが、両組織の因縁に巻き込まれていったのだ。

 局面を激変させたのは、分裂翌年5月の「岡山開戦」であった。

 神戸山口組側から「敵」と名指しされた三代目弘道会(当時)のヒットマンによる、池田組若頭射殺事件が発生。池田組は豊富な資金力を背景に、六代目山口組側への「切り崩し」の中心的役割を担っていたとされ、そのナンバー2暗殺劇の衝撃は計り知れなかった。また事件の報復を巡り、神戸山口組内に不協和音が生じたことも後々明らかになっていく。山口組事情に詳しいジャーナリストが語る。

「池田組の若頭が犠牲となる一方、井上組長が率いた四代目山健組(当時)がその報復に動く気配を見せなかったことで、発足時の団結がほころんでいきます。その進行は翌17年5月の織田絆誠若頭代行(当時)一派による任侠山口組(現・絆會)結成と、その後の池田組の離脱をも引き起こす遠因となっていきます」

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