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記事全文を読む→【ついにクビ】簗和生の「シャトルバス送迎」を吊るし上げて正義を気取る政治家たちの「滑稽で空虚な建前論」
過去の選挙での問題発言に加え、支持者をシャトルバスで無料送迎していたことをめぐって事実関係の弁明を二転三転させた末に、簗和生前農水相(裏金1746万円)が事実上の更迭となった。
国会審議で野党から追及された際、当初は「選挙管理委員会に確認して、会場費として計上した」と胸を張っていたのに、翌日には記録がないだの記憶があいまいだのと逃げ腰になり、最後は秘書を信じているという常套句で幕を引こうとした。自らの保身を優先する政治家の答弁としては使い古されたものであり、見慣れた光景だ。
高市早苗首相は「法令違反が明確になれば人事上の判断を躊躇しない」と語り、傷口が広がる前に閣僚の首をすげ替えることで事態の沈静化を図った形だ。
しかしながら、永田町で繰り広げられるやり取りを眺めていると、どうしても拭い去れない空虚さが残る。追及する側の野党も、守勢に回る与党も、口を揃えて「法の遵守」や「選挙の公正」を掲げているが、その誰もが、地方の選挙区が抱える深刻な実態から目を背けているからである。
公職選挙法が有権者の送迎を利害誘導や買収だとして厳格に禁じている理由は、資金力のある陣営による大規模な動員を防ぐためだとされている。
それはその通りだが、公共交通機関が網の目のように張り巡らされた大都市部と、一日に数本しかバスが走らない過疎地を同じ物差しで測ること自体に土台、無理があるというものだ。
過疎と高齢化が進む地方において、山林をはうように点在する集落から高齢者が自力で遊説会場へ駆けつけることなど、とうてい望めない。広大な面積を抱える地方で、有権者が候補者の肉声を聞きに行くために、誰かが車を出し合って移動の便宜を図らなければ、そもそも演説会すら成り立たないのが現実である。
当の国会議員たちがいちばんよく知っている「現実」
皮肉なことに、辞任した簗氏の後任に起用される武部新氏の選挙区は、日本一広い北海道12区。オホーツク、宗谷の広大な大地を抱えている。
選挙区内の端から端までの直線距離は約350キロあり、これは東京から名古屋を越える距離に相当する。有権者が移動するだけで、途方もない時間と労力を要するわけだ。
そうした土地で、公選法が想定するような「自発的な徒歩や公共交通機関による参加」という美名通りの選挙運動が本当に成立するのか、当の国会議員たち自身がいちばんよく知っているはずである。
宗教団体や労働組合による実質的な乗り合い動員には証拠がないとして目をつぶり、水面下の脱法行為は見て見ぬふりを決め込みながら、今回のように、発覚した一台の送迎バスだけを吊るし上げて正義を気取る政治家たちの姿は、滑稽としか言いようがない。
実態とかけ離れた法律を盾に倫理観を競い合う、国会の茶番劇。地方の痛切な現実を置き去りにしたまま、空虚な建前論の応酬を今日も飽きることなく繰り返している。
(岡田哲司/政治ジャーナリスト)
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