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記事全文を読む→もしも自分が別の国に生まれていたらどんな一生を選ぶか「架空の人生」体験ゲームの難しい選択肢「北朝鮮なら…」
自分が北朝鮮で生まれていたら、脱北を試みるだろうか。そんな選択を体験できるのが、無料ゲーム「80億分の1」だ。世界のどこかに生まれた一人の人生を、誕生から最期まで疑似体験する。生まれる国も家庭も選べず、進学や就職だけでなく、日本で暮らしていれば考えもしない決断を迫られることがある。
「80億分の1」は、個人開発者のJin Hwi-eus氏が10月5日に公開したブラウザゲームだ。どこに生まれるかは、172カ国の統計をもとにした抽選方式。出生で選ぶと国ごとの年間出生数に応じて、あるいは人口で選ぶとその割合に応じて国が決まる。どちらも、人生は0歳から始まる。
生まれた国の所得や教育事情によって、進学や仕事の選択肢は変わる。プレイヤーは学校へ進むか、どんな仕事に就くか、病気になったら治療を受けるかなどを選んでいく。その判断や途中で起きる病気、事故などが、健康や暮らし、人との関係に影響する。
何歳まで生き、何が原因で亡くなるかにも国や性別、年齢ごとの統計が使われる。実在する誰かの一生ではなく、現実のデータから作られた架空の人生を体験するゲームなのだ。
北朝鮮での人生については脱北のほか、徴兵や国策による配置転換に加え、韓国の映画を見る出来事があったというユーザーもいる。脱北の選択肢が一度も出なかったケースもあり、同じ国に生まれても展開はひとつではない。働く場所や見る映画まで、生まれた国の事情が入り込んでくるのだ。
宗教によっても、人生の予定は変わる。あるユーザーは、バングラデシュのイスラム教徒として生まれ、30代半ばにメッカ巡礼を勧められたという。日本で暮らす多くの人にはなじみの薄い巡礼が、自身の選択肢として現れるのだ。
パキスタンの裕福な農家に男子として生まれ、大学を卒業してソフトウェア開発者になり、知人の紹介で結婚に至ったというプレイ記録もある。家庭の経済状況によっても、選べる道は変わってくる。
「もう一度やってみたい人生」を選べるとは限らない
自分の人生と並行して、同じ瞬間に生まれた別の4人の人生も進む。学校へ通う年齢、働き始める時期、家族との別れを迎える年齢は、それぞれ違う。自分が進学や就職で迷っている間に、別の場所で生まれた人物がすでに人生を終えていることもある。最後にはそれぞれの一生を並べて振り返ることができる。
生まれた国によって進学や就職の事情は違っても、選ぶのは日本で暮らしてきた自分である。学校へ行くか、働くかと問われれば、借金をしてでも進学したくなるかもしれない。教育を受ければ仕事の選択肢が広がると、これまでの経験から考えるからだ。
画面の中なら現実の自分が学費を負担せずに、その道を選べる。家計を支えるために就職したり、学費をためながら勉強したりする現実では、同じ決断を簡単には下せないだろう。
人生をやり直せるなら、別の仕事や結婚相手を選びたい。そう思って始めても、生まれた先では進学より家計を支えるために働くことを求められるかもしれない。日本で思い描いた「もう一度やってみたい人生」を、そのまま選べるとは限らないのだ。
(ケン高田)
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