政治
Posted on 2026年10月05日 07:00

【世界の最凶独裁者列伝】「アフリカの北朝鮮」に今なお君臨!暴君大統領が強いた「国民全員が奴隷」「自由な報道を撲滅」

2026年10月05日 07:00

「アフリカの北朝鮮」という異名を持つ国がある。東アフリカ紅海沿岸に位置するエリトリアだ。なぜそう呼ばれるのかは後述するが、四半世紀にわたり独裁者として今なお君臨するのが、初代大統領イサイアス・アフェウェルキである。

 若き日には中国に留学、毛沢東による権力闘争の極意を叩き込まれたこの男は1993年、隣国エチオピアからの壮絶な独立闘争を率い、英雄として初代大統領に就任した。ところが権力を握った途端、とんでもない本性が剥き出しになるのだ。

 まず、アフェウェルキは一度も国政選挙を実施していない。それどころか、憲法さえも発効させないまま、自らの意思を絶対法とする独裁体制を構築。2001年には、わずかに残っていた民主化要求の声を封じ込めるため、政権幹部や独立系ジャーナリストを一斉に逮捕すると、裁判も行わず闇から闇へと葬り去った。

 ダメ押しは、国内に存在する全ての独立系メディアの完全廃絶。エリトリアでは現在も、外部への情報流出はいっさい許されておらず、それが「アフリカの北朝鮮」と称される所以なのである。報道の自由など全くなしの、検閲国家ワースト1位に認定されたほどだ。

 さらにこの男の特筆すべき統治手法が、徹底した「国民の奴隷化」。エリトリアでは法定上、「18カ月の兵役」が義務付けられているのだが、これは単なる謳い文句。なんのことはない、国境紛争などを口実に無期限へとスライドされ、若者たちは微々たる給与で国家管理のインフラ工事や低賃金労働へと強制動員される。
 もしこれを拒絶すれば過酷な拷問や無期限の投獄が待っているというから、「現代の奴隷制」以外のなにものでもない。

80代にして後継者を指名する気配は全くなし

 そして国を脱出した者がいれば、残された家族は家屋を没収され、連座的に処罰されるという恐怖の密告社会が完成していることも、北朝鮮さながらだ。

「国を守るため」という大義名分の下、未来を奪われ、命がけで砂漠を越えて地中海を渡り、難民とならざるをえない若者たち。しかし、いかに若者たちが国外へ流出して人口が減少しようが、国が衰退していこうが、暴君アフェウェルキの玉座が揺らぐことはない。

 難民流出が止まらない中、国連や人権団体が繰り返し改善を求めているものの、政権側はいっさい応じる姿勢を見せていない。ネット統制が厳しいため、国内における正確な状況は外部に伝わっていない。

 ただ、80代になったアフェウェルキは後継者を指名する気配がなく、一党独裁体制や秘密警察網が強固に張り巡らされているため、内部から体制が揺らぐことはない。他国の独裁者が次々と歴史の舞台から消えていく中、この絶対君主は今この瞬間も、誰にも邪魔されることなく「アフリカの北朝鮮」を支配し続けている。

(山川敦司)

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