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記事全文を読む→【ウラ世相ウォッチ】若者に流布する「飯キャン」の真相…食事を抜いても家賃高騰の一人暮らしを続けるのはなぜか
「飯キャン」なる言葉をご存じだろうか。「風呂キャン」=「風呂キャンセル界隈」という入浴回避の言葉は聞いたことがあるが、となればこれは「食事キャンセル」。すなわち食事を抜いたり、簡単なもので済ませたりする若者を指す。
だがこれを「最近の若者は食に興味がない」で片付けると、本当の理由を見落としてしまう。目を向けるべきは、彼らが「飯を食う」という生活の基本を削ってまで一人暮らしを続けるのはいったいなぜか、である。
東京23区のワンルーム家賃は現在、平均で月10万円台に達している。20年ほど前の東京圏では7万円前後がひとつの目安だった。単純比較はできないものの、若者の住居費は大きく膨らんでいる。
厚労省の2025年「賃金構造基本統計調査」によると、20歳~24歳の平均的な所定内給与は月23万3300円、25歳〜29歳は26万8300円。賞与などを加えても、20代前半で年約320万円、20代後半で約390万円という水準だ。これでは家賃10万円が、給料のかなりの部分を持っていくことになる。
ここで思い出したいのが、昔の「会社の寮」である。筆者自身、20年ほど前に会社員だった頃、都心の一軒家を利用した寮に住んでいた。寮費は月3万円ほど。当時の手取りは20万円程度だったが、住居費が安かったため、食事に困ることはなかった。普通に食べて、趣味や遊びに使えるお金が残った。
「食べたくても食べられないのでは」との指摘
もちろん、これは筆者個人の経験であり、現在と単純に比較することはできないのだが、「若い会社員の住居費を会社が負担してくれる」という仕組みが、若者の生活を支えていた現実がある。
現在も社宅や寮を持つ企業はあるが、企業が自前の寮を持つ形から、借り上げ社宅などへと仕組みは変わっている。つまり「会社に入れば安く住める」という生活モデルが、昔ほど一律ではなくなったわけだ。
海外では若者がルームメイトと暮らすことが珍しくない。家賃を分担し、キッチンやリビングを共有する。日本にも昔は下宿や学生寮があり、若者が一人で住居費を全て負担する生活ばかりではなかった。
ところが今は、自分でワンルームを借りるのが当たり前になった。「一人暮らし=自立」という考え方も根強い。親と暮らすより、一人で部屋を借りて生活する方が「大人」と見られやすいからだ。
その結果、どうなったか。家賃は簡単には削れない。しかし、食費なら削ることができる。つまり「今日は昼飯を抜こう」となる。
世間からは「物価が上がったから食べないのではなく、食べたくても食べられないのでは」という声が出ている。「飯キャン」は若者が食を軽視しているから起きている現象ではない。もしかすると彼らは、食事をキャンセルしているのではなく、一人暮らしをキャンセルできないだけなのかもしれないが……。
(カワノアユミ)
アサ芸チョイス
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