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記事全文を読む→【世界の「最凶独裁者」列伝】スーダン大統領「村を焼き尽くし、男は皆殺しにし、女は徹底的に犯せ!」民族浄化指令の大罪
北東アフリカ最大の面積を誇りながら、終わらない内戦と貧困にあえぐスーダン。この国に30年もの長きにわたって君臨し、血と恐怖で統治したのがオマル・アル・バシール元大統領である。
イスラム原理主義を掲げ、反米闘争を声高に叫ぶ一方、国家財産を私物化して私腹を肥やす。この男の独裁ぶりは、まさに「やりたい放題」だったのだ。
1944年、ナイル川流域の小村に生まれ、軍人となったバジールは1989年、民族イスラム戦線と手を組んで無血の軍事クーデターを成功させ、民主政権を転覆。自ら元首・首相・軍司令官を兼務する独裁体制を敷くと、政党や労働組合を禁止し、報道を弾圧した。
さらにサウジアラビアを追放された国際テロリスト、ウサーマ・ビン・ラーディンらを首都ハルツームに匿い、国家ぐるみで支援するのだった。
当時、ラーディンはソ連軍とのアフガニスタン戦争を経てサウジアラビアに帰国していたが、自国の王室と対立して国籍を剥奪され、国外追放されていた。
そんな人物を「英雄・イスラムの同志」として手厚く迎え入れ、ハルツームに拠点を構えさせたのがバシールだった。
その結果、ハルツームには世界中からイスラム過激派が集結。各地のテロ活動を資金面、組織面でバックアップしたため、アル・カーイダのネットワークが急拡大する。スーダンはアメリカをはじめとする国際社会から「テロ支援国家」の烙印を押されることとなった。
バシールが犯した最大の罪は、2003年に勃発した西部ダルフール地方での内戦における、あまりにも残虐な「民族浄化」である。ダルフールの住民が政府の冷遇に対して蜂起すると、正規軍に加え「ジャンジャウィード」という悪名高きアラブ系武装民兵組織を解き放ったバシールは、「村を焼き尽くし、男は皆殺しにし、女は徹底的に犯せ!」と指令。
襲撃された村々では略奪と暴行の限りが尽くされ、この焦土作戦により、推計30万人もの民間人が命を落とし、250万人以上が家を追われて国内外の過酷な難民キャンプへ逃れたとされる。
「世界最悪の独裁者ランキング」で3年連続1位に
国際社会はこの残虐行為を「21世紀最初のジェノサイド」と断定。2009年、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)は、現職の国家元首としては史上初めて、バシールに対して戦争犯罪および人道に対する罪、そしてジェノサイドの容疑で逮捕状を発行することになる。
アメリカの有力誌「パレード」の「世界最悪の独裁者ランキング」で3年連続1位に認定されるも、平然と権力の座にしがみつき続けたバジールにも「終わり」はやってきた。2019年4月、国民の怒りによるデモが激化。家宅捜索の際に自宅から見つかったのは、総額140億円相当のユーロや米ドル、そして現地スーダンポンドの札束の山だった。
日々のパンを買う金さえない国民を尻目に、国庫から奪った巨額の現金をスーツケースに詰め込み、寝室で札束に埋もれるようにして眠っていたというバジール。強欲さと底知れぬ下劣さにまみれる醜態が、世界中に晒された瞬間だった。
(山川敦司)
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