社会
Posted on 2026年09月07日 11:45

「くら寿司」横流し不正発覚で「ちいかわコラボ」中止…元凶は「メルカリ」

2026年09月07日 11:45

「ずーっとずっーとヒミツにしようなんて許さないよ」
 これは公開45日目で観客動員930万人、興行収入138億円を突破し、2026年公開映画の国内興行収入No.1となった「映画ちいかわ 人魚の島のひみつ」に登場する怪物セイレーンが「島で起きたある事件の犯人を探す」セリフだ。映画に合わせてコラボキャンペーン中だった回転寿司チェーン「くら寿司」(本社:大阪府堺市)も同じ事態に陥っている。

 くら寿司は9月5日、公式サイトや公式アプリで次のように発表。
「弊社にて調査を進めた結果、同キャンペーンの実施に際し、当社の従業員による不正行為が判明したため、明日2026年9月6日(日)の営業開始時より、下記の『ちいかわ』コラボキャンペーンを『中止』とさせていただくことになりました」
 9月4日から売り上げ3000円ごとに配布される予定だった景品「ちいかわ 湯呑み」が3日の時点でフリマサイトのメルカリに出品されたほか、店頭に飾られているはずのキャンペーン用販促ノボリまでが出品されていたのだ。

 さらに皿5枚でチャレンジ可能、1皿あたり10円を多く支払えば皿30枚で必ず「当たり」が出るガシャポン「ビッくらポン」にも中抜き疑惑が浮上。寿司350貫を食べ、ビッくらポン35回分を引いた顧客から次々と「大当たりのちいかわフィギュアが出ない」という怨嗟の声が上がっていた。
 このフィギュアもメルカリで大量出品されており、真偽不明ながら「親が『くら寿司の店長』だから大量出品できる。因縁をつけるなら業務妨害で訴える」と景品の横流しを匂わせた上で逆ギレする盗人猛々しいメルカリ出品者までいた。

 これらのトラブルが相次いだことでキャンペーン中止のお詫びとして、くら寿司は9月6日と7日に10%引きキャンペーンを実施したが、ちいかわキャンペーン中止による大量キャンセルを見越した在庫処分にすぎず、週末にちいかわコラボを楽しみにしていた子供たちや、2万円を払ってハズレを引かされた顧客へのお詫びにはなっていない。
 なにより「ちいかわ」作者のナガノ氏は自身のXアカウントで、過去にくら寿司に来店した際のイラストつきエッセイを描くなど、「くら寿司愛」あふれる投稿をしてきたのに、あまりにひどい裏切りだ。

 くら寿司本社は各店舗にノボリやガシャポンの返却を求めており、ノボリを返却できない店舗、売り上げに対しガシャポンが少ない店舗が出た場合、横領や窃盗の犯人が見つかるのは時間の問題だろう。

 くら寿司のコンプライアンス上の問題は、今に始まったことではない。2024年12月に「株主への公平な利益還元」を理由に、株主優待の廃止を発表。株価を急落させた直後、副社長が大量株を自身の資産管理会社へ移し、その約2カ月後に優待を復活させたことで、恣意的な節税対策だったのではないか、との疑惑が浮上。経営判断の透明性を問われている。

盗品売買疑惑まで出たのに野放しのまま

 2022年4月1日には、山梨県甲府市の「無添くら寿司 甲府上阿原店」の店長が焼身自殺する悲劇が起きた。遺族はパワハラを苦にした自殺だったと訴えているが、くら寿司は社内調査の結果、パワハラは確認できなかったとしており、自殺とパワハラの因果関係はグレーなまま。今回のトラブルをめぐって横流しが発覚した店舗で、また何かが起こらなければいいが……。

 ちいかわをめぐる横流し疑惑は、くら寿司に限らない。映画上映で観客1人につき1個配布されている第四弾景品の中でも、「レア」なセイレーンの限定チャームがメルカリに大量出品されている。

 2025年5月のマクドナルド「ハッピーセット」買い占め騒動や、ポケモンカード高騰など、子供まで巻き込んだトラブルの元凶はメルカリにある。メルカリでは昨年のコメ不足の際に高額米が出品されたり、今年7月に福岡県うきは市で収穫前の梨が2年連続で大量盗難に遭った直後、産地不明の大量の梨が出品されるなど「盗品が売買されているのではないか」という疑惑が出た。

 盗品売買の疑いがある事案があるのに取り引きを止めず、手数料を得続けていたとすれば、刑法256条の「盗品等の有償処分のあっせん」に抵触する可能性がある。梨盗難の対応を見ても、メルカリが古物営業法21条の3が定める、警察への申告義務を果たしているとは思えない。いいかげん、司法当局はメルカリの捜索に入るべきと思うのだが……。

(那須優子)

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