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Posted on 2026年06月01日 06:45

江戸時代の女流作家「荒木田麗女」はボーイズラブを描き国学者・本居宣長を「田舎のエせ書生」と罵った

2026年06月01日 06:45

 歴史上、日本の女流作家といえば、真っ先に「源氏物語」を書いた紫式部や「枕草子」の作者・清少納言の名前が浮かぶが、江戸時代にはそれに勝るとも劣らない才能を発揮した女流作家がいる。

 荒木田麗女というが、彼女は「紫山」「清渚」という号を持つ。それは紫式部から紫を、清少納言から清の字を取っている。享保17年(1732年)に伊勢神宮内宮の荒木田武遠の子として誕生し、生涯400を超す作品を残している。

 中には 男色(ボーイズラブ)の要素を含む異色の「怪世談(あやしのよがたり)」という怪異小説集がある。中国の怪異小説をベースに、平安時代の日本へ舞台を移して翻案した全5巻の短編集だが、第5巻の「朝雲」に収められた若き少将と、かつては乳母子だった海賊の首領との熱い男性同士の触れ合いを描いたものは、傑作といわれている。

女流作家が描くのは異例中の異例だった

 当時、井原西鶴など男性作家がボーイズラブを題材にした作品を残しているが、女流作家がこの手の作品を描くのは異例中の異例で、まさに時代の先駆者だろう。

 彼女は男尊女婢が当たり前だった時代、自らの作品「野中の清水」の添削を、有名な国学者・本居宣長に依頼。ところが「私の方が正しい」と真っ向から反論し、ガチンコで論争を繰り広げている。文壇の大物である知の巨人・本居宣長を相手に一歩も引かない姿勢には、自らの文章に対する自信とプライドが感じられる。

 しかも周囲には宣長のことを「田舎のエセ書生」とディスっている。この時代に寸鉄人を刺す女流文学者がいたとは、頼もしい限りである。

(道嶋慶)

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