社会

江戸時代の「家政婦は見た!」将軍のシモの処理をする「大奥の女中」のスパイ活動

 まさにリアル「家政婦は見た!」である。江戸時代には「大奥」という、謎に包まれた女性だけの場所があったことは知られているが、その大奥には「水仕女(みずしめ)」「御末女(おすえおんな)」と呼ばれる女性が存在していた。

 主な仕事は将軍や上級女中の入浴の世話、トイレ後の処理、部屋の掃除、衣服の洗濯や水汲みなで、大奥では下級の女中である。華やかな着物に身を包み、将軍や正妻の御台所への謁見が許される、御年寄や将軍の身辺の世話、夜の相手をする御中臈にはほど遠い身分だ。

 将軍の姫君や大名の正室が大奥を訪れた際には、その客を豪華な駕籠に乗せ、広敷門から大奥内にある御対面所まで担ぐという力仕事も担っていた。

 この水仕女たちの名前の記録はほとんど残っていないが、実は侮れない存在だった。なぜなら入浴や排泄といった、人間として最も無防備な状態での将軍の精神状態、健康状態を、誰よりも早く知ることができるからだ。彼女たちはそこで知り得た情報を、上役である奥女中や奥医師たちに流す役目を秘かに任されていた。いわば密偵役、スパイだったのだ。

 いつの世でも、情報は大事だ。彼女らが得た情報は、将軍の後継者争いを左右することさえあっただろう。雑用の最中に将軍の目に止まり、側室になったというお知保の方伝説も、大奥には残っている。徳川家重の時代とも家継の時代ともいわれるが、定かではない。

(道嶋慶)

カテゴリー: 社会   タグ: ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
横浜F・マリノス「J2降格まっしぐら」の元凶は「実績ゼロの無能監督」を送り込む「大株主CFG」
2
フィギュアスケート織田信成「モラハラ告発裁判」で大泣き敗訴/スポーツ界を揺るがせた「あの大問題発言」
3
江戸時代の「家政婦は見た!」将軍のシモの処理をする「大奥の女中」のスパイ活動
4
宮城野親方(元白鵬)が「電撃退職」する意外な理由/五月場所を10倍楽しむ「大相撲覆面座談会」(2)
5
前園真聖「タクシー泥酔暴行逮捕」を語る!「いまだ酒を1滴も飲んでいない」は本当か