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記事全文を読む→「絞首刑の一部始終」を被害者と遺族が「見学」…イスラエルで現実になる「テロリスト死刑法」の生々しさ
絞首刑に処される者の首に縄がかけられ、足元の床が開く。その一部始終を、テロで肉親を奪われた被害者や遺族が、施設内の観覧ブースから見届ける。作り話のような光景だが、これはイスラエルで進められている計画である。
イスラエルのイタマル・ベン・グビール国家治安相が公開したのは、死刑囚専用区画と絞首設備の建設現場だとする映像だった。施設はイスラエル中部にあると報じられているが、正確な場所や完成時期は明らかにされていない。
ベン・グビール氏は動画の中で「ここでテロリストが処刑される」と述べ、アメリカでも被害者らによる立ち会いが認められていると説明。死刑囚専用区画の中央に絞首設備を置き、犯罪被害者や遺族が刑の執行を見るための観覧ブースを設けると明らかにした。公式発表にも、絞首設備や観覧ブースの設置に加え、遺族らへの訪問許可が記されている。
この計画をめぐり、スペイン語で親パレスチナ情報を発信するXアカウント「Daniel Mayakovski」は「カメラを設置し、彼らが死んでいく様子をその場で見られるようにする」と投稿。ベン・グビール氏を「ヒトラーの生まれ変わり」「パレスチナ人の死をサディスティックな公衆ショーへと変えたいと願う歴史的なサイコパス」と名指しで非難した。この投稿は日本語圏でも拡散し、大きな反応を生んでいる。
イスラエル国会(クネセト)の本会議では3月30日に賛成62、反対48、棄権1で「テロリスト死刑法」が成立。西岸地区の軍事法廷で、テロ行為によって人を死亡させたとして有罪となったパレスチナ人に、死刑を科す法律だ。ただし、イスラエル国民や居住者は同地区の軍事法廷の対象外となるため、実際には主にパレスチナ人に適用される。
絞首縄をかたどった金色のピンを胸につけて国会に出席
さらに5月11日には、2023年10月7日にハマス主導の武装勢力がイスラエル南部を越境襲撃して約1200人を殺害、251人を拉致した事件について、関与したとされる被告を裁く特別軍事法廷を設置する法律が成立した。こちらは審理を撮影し、ネットで公開すると定められている。
イスラエルで死刑が執行されたのは、ナチス戦犯アドルフ・アイヒマンが絞首刑となった1962年が最後だ。新法による執行が実現すれば、64年ぶりとなる。ベン・グビール氏は法案審議中の2025年12月、極右政党「ユダヤの力」の議員らと、絞首縄をかたどった金色のピンを胸につけて国会の委員会に出席し、死刑を実現させる決意の象徴だと説明している。
あの時、議員の胸元にあった小さな縄は今、遺族用の観覧ブースを備えた絞首施設として、現実のものになろうとしている。
(ケン高田)
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