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Posted on 2026年10月03日 10:00

漫画家・弘兼憲史の男子厨房に入るべし!〈ちくわ〉キュウリ、チーズ、サラミ。穴にお好み食材を詰める妙味

2026年10月03日 10:00

 物価高の今、「ちくわ」は比較的安く買えるお財布に優しい食材です。

 ちくわのおもしろさは、何といっても真ん中に穴があいていることでしょう。その理由は製造工程にあります。竹や金属の棒に魚のすり身を巻きつけて回転させながら焼きます。焼き上がった後に、棒を引き抜くためまん中に穴ができるというわけです。その穴の中に何を詰めるかで、多彩な味のバリエーションを楽しめる。特に酒のツマミとして重宝します。

 定番は、やはりキュウリでしょう。縦に細切りにしてちくわの穴にぐっと差し込み、適当な大きさに切って皿に並べると、緑と白のコントラストがきれいな即席の酒のつまみが出来上がります。

 チーズもよく合います。スティック状のチーズを詰めるだけ。キュウリとは違って濃厚な味で、ビールのあてにはうってつけです。

 他にもセロリならシャキシャキした食感が加わるし、オクラを入れるのも妙味があります。ツナマヨや、練り梅、サラミを詰めるのもいいでしょう。要は自分の好きな具材を詰めるだけでいいのです。

 一方、料理の具材として活用することもできます。例えば焼きそば。定番の焼きそばに、ちくわを加えるだけ。魚の旨味があるので、肉を入れなくても物足りなさを補ってくれます。あとは、ちゃんぽんに入れてもコクが出ますし、野菜炒めとして一緒に炒めてもいい。冬場におでんのタネとして入っている、太くて長く、表面に茶色い焦げ目がついたちくわが個人的には大好物です。皮が少し浮いてパリパリして、実においしいんですよ。

 もう1つ、私の大好物が、ちくわの磯辺天。丸亀製麺で食べる時にはうどんのトッピングにはマストです。あおさの香りとサクサクの衣がたまらない一品なのです。

 こうして見ると、ちくわは値段も手頃で、そのまま食べてもおいしいし、調理をしてもいい、かなり便利な食べ物です。しかも、スケソウダラなどの白身魚を主な原料としているため、高タンパクで栄養価も高い優れた食品といえます。

 このご時世に、低価格でコスパのよい優等生ですが、3本で200円以上する少し高値のちくわもスーパーで売っています。安いちくわと食べ比べてみると、明らかに味が違う。魚肉の配合か、小麦粉などの混ぜ物が少ないのか、詳細はよくわかりませんが、やはり高いものには高いなりの理由があるんでしょう。

 徳島の名物として知られる「竹ちくわ」もオススメです。天然の青竹を用い、魚のすり身を巻きつけてこんがりと焼き上げます。緑の竹と茶色のちくわの組み合わせがきれいで、普通のちくわとは一味違った高級感があります。源平合戦の頃、源義経の軍勢が小松島に上陸した際に漁夫たちが振る舞った魚のすり身を青竹に巻きつけて焼いた料理が起源と伝わっています。焼きたてを竹つきのままかじるのが最高にうまい!

 そのまま食べても、焼いても煮てもいい。もちろん、穴に自分の好きなものを詰めてもいい。ちくわは懐の深い食べ物だと思います。皆さんもお気に入りの食べ方を楽しんでください。

弘兼憲史(ひろかね・けんし)1947年、山口県生まれ。早稲田大学法学部卒。松下電器産業(現パナソニック)に勤務後、74年漫画家デビュー。以来『課長 島耕作』『黄昏流星群』などヒット作を次々生み出している。07年には紫綬褒章を受章。

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