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記事全文を読む→映像ディレクター・佐々木敦規の「お台場ハチャメチャ青春記」〈第5回〉(2)ザキヤマからの“ケツバット”
佐々木が演出した「アイドル道」の後継番組として、「お笑い道」は始まった。MCは「アイドル道」からの継続でアンタッチャブルが担当。ここにレギュラー陣としてアンガールズ、カンニング竹山が加わる。さらに、ゲストは賞レース優勝でブレイクする前の次長課長、サンドウィッチマン、バイきんぐ、とろサーモン、東京03、キングオブコメディらが顔を揃えた。表舞台に出る前の“地下芸人”だった永野とチャンス大城も出演している。
当時から「CSとは思えない豪華さ」と言われた芸人たちを揃え、お笑いが大好きな放送作家とDとともに、佐々木は総合演出として企画を取りまとめた。
「作家やDからやりたい企画が上がってくると、『おもしろそう、でも、それはさすがに無理』『こうしたらもっとおもしろくなるかも』と議論して、やる企画を決めて上がった台本を確認して、編集された映像の最終チェックをするといった、皆をまとめる立場でした」
佐々木の武器は視点の幅広さだ。作家やDはお笑いが好きすぎてマニアックなものに走りがちで、そこをおもしろがりつつ行きすぎたら修正するバランサーの役割を佐々木が担った。
もう一つ「お笑い道」で佐々木が担った役割がある。
「“間抜けな総合演出”という役柄で、僕もカメラの前に引っ張り出されたんですよ(苦笑)」
とんねるずが広めた“番組スタッフいじり”は、芸人がテレビで活躍する上で必須のスキル。「お笑い道」は地上波の人気者に成り上がりたい芸人にとって、経験を積む場として格好の番組だったのだ。
「番組は5年間、1期から5期まで続きましたけど、3期で『レギュラー陣入りガチバトル』をして、バナナマンがキングオブコメディに勝って4期からレギュラーになりました。設楽(統)君のドS と日村(勇紀)君のいじられキャラで番組が一層盛り上がり、地上波特番も放送されるようになったんです」
番組では様々なチャレンジ企画を試した。
「今やろうと思っても、アウトな企画ですけど‥‥」
そう前置きして、佐々木はその企画を話し出した。
「今も覚えてるのは『日村6番勝負』。日村VS『お笑い道』メンバーの対決企画で、6番目がケツバットでした。パンツ一丁になり、プラスチックのバットで尻をバンバン叩かれても無表情でいれば勝ちです」
最初は耐えていた日村も次第に限界を迎える。その様子を見て、設楽のドSスイッチが入った。
「突然『ウチのスタッフに何発食らおうが、ピクリともしない最強のひとがいるんですよ、ねえ、佐々木さん!』とご指名です(苦笑)」
佐々木はカメラの前に引っ張り出され、ズボンを脱いでパンツ一丁に。
「元高校球児のザキヤマ(アンタッチャブル山崎)がニヤニヤしながらプラスチックバットをフルスイングです(苦笑)。こっちも意地で1度も痛い顔をせず、日村君をギブアップさせて『お笑い道』メンバー勝利で収録は終わりました。その数日後、家で着替えてたら妻が悲鳴を上げたんですよ。『お尻が真っ黒になってるよ!』。内出血してドス黒く腫れあがってました(苦笑)」
佐々木が自ら身体を張ったのには理由があった。
「僕には『自分が出たい』はないんですけど、スタッフいじりされるのが若いADだと、視聴者に『かわいそう』と思われて笑えない場合がある。だから『俺をいじっておもしろくなるなら、どんどんいじって』と伝えてて、Dや芸人がおもしろがっていじるわけです。おかげで、地方ロケに行った時に『芸人さんですよね? 番組見てますよ』と、言われたことが何度もありました(苦笑)」
佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。
取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)
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