エンタメ

老舗映画専門誌「SCREEN」が消滅の危機を迎えていた!

20151008screen

 帝国データバンクによると、映画誌「SCREEN」を発行するケーイー(旧・近代映画社)が10月2日、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた。前日の10月1日に近代映画社がケーイーに商号を変更し、「SCREEN」「SCREEN+」「BIG ONE GIRLS」の3誌はタイヘイグループのティ・アイ・ティに譲渡。同日付でティ・アイ・ティが新・近代映画社となり、3誌の出版を続けることとなった。負債額は約9億5000万円にものぼる。

 旧・近代映画社公式サイトには「ご迷惑をおかけします。只今ホームページは工事中です」との記述が。同社のオンラインストアは在庫ゼロ、注文ストップの状況が続いている。公式ツイッターは9月30日で更新がストップしたままだ。

 旧・近代映画社は戦後間もない1945年10月に創業。翌年5月に「スクリーン」(のちの「SCREEN」)を創刊した映画誌専門出版社である。全盛期の頃は「近代映画」(後の「Kindai」)で「平凡」「明星」に対抗したり、アイドルや俳優の写真集やムック、映画・芸能関係の関連書籍を出版していた。

「今年9月には『SCREEN通巻1000号』を達成したばかり。後発のライバル映画雑誌『ロードショー』が7年前に廃刊になってもなお頑張っていた。洋画ファンのための老舗雑誌だったのに」(芸能ライター)

 ベテラン映画ライターも言う。

「世界の映画スターがカラーグラビアにてんこ盛り、艶然と微笑んでいる雑誌なんて他にはなかった。故・淀川長治さんや故・小森和子さんによる映画紹介や、全公開作品を網羅した故・双葉十三郎さんの連載『ぼくの採点表』は、地方に住む映画ファンにとっては必読ページだった。アラン・ドロン、カトリーヌ・ドヌーブに代表される美男美女の俳優ブーム、スティーブン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカス監督が巻き起こしたエンターテイメント映画ブーム、ブラッド・ピット、トム・クルーズ、ジョニー・デップらハリウッドスターブームが続いたが、今は品切れ状態。長らく洋画のファン離れが続いており、邦高洋低は覆せないままです」

 インターネットが普及し、スター自らが情報を発信、パパラッチがスキャンダルを暴き出す時代に。映画評論の必要性を感じない若者が増え、映画館に足を運ばない人も少なくない。

「『SCREEN』に続く状況に置かれている雑誌はいくらでもある。韓流ブームが去って、韓流関係の雑誌は総倒れ。旅行ガイドブックも毎年新しいものを出すが、ネット情報の新しさにはかなわない。広告が入るから成り立っているような、綱渡りの状態が続いている」(出版関係者)

 映画も雑誌も取り巻く状況は一段と過酷になっているのだ。

(塩勢知央)

カテゴリー: エンタメ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
3
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身