スポーツ

血まみれ顔面死球の23分後に…大府高・槙原寛己を驚愕させた名古屋電気高・工藤公康の壮絶すぎる夏の甲子園大会

 夏の高校野球がいよいよ頂点を決める佳境へと向かっているが、高校時代にエースとして甲子園に出場した工藤公康氏は、壮絶なエピソードを持っていた。

 名古屋電気高校(現・愛知工業大学名電高校)時代の1981年、エースとして夏の甲子園に出場した工藤氏は、2回戦で18人目のノーヒットノーランを記録した。そんな工藤氏にとって、愛知県大会で起きた「事件」は、忘れられないものになっている。

 高校時代、同学年の工藤氏、槙原寛己氏(大府高校⇒巨人)、浜田一夫氏(愛知高校⇒中日)は「愛知三羽烏」と呼ばれ、注目を浴びた。

 その三羽烏のひとり、野球解説者・槙原寛己氏のYouTubeチャンネル〈ミスターパーフェクト槙原〉に登場した工藤氏が振り返ったのは、県大会5回戦の東邦高校との試合(1981年7月26日)だった。

 この試合、槙原氏は工藤投手のピッチングを見るべく、視察に訪れていた。

 ところが名古屋電気の攻撃中、左打席に立った工藤氏の右顔面を死球が襲い、ユニフォームは血まみれに。工藤氏は担架に乗せられ、運ばれていく。

 スタンド観戦の槙原氏は当然ながら「もうピッチャーを代えればいい」と思っていたのだが、23分間の中断後に現れたのはなんと、右目を大きく腫らした工藤氏だった。この時の様子について、工藤氏が言うには、

「俺が出て行かなきゃダメだと思ったの」

 医師からは、失明の可能性もあるため即病院行きを提案されたが、監督は、

「工藤、どんなんだ?」

 工藤氏が判然としないでいると、

「よし、投げろ。俺が責任取るから投げろ」

 結果、工藤氏は右目の痛みに耐えてこの試合を投げ抜き、被安打4で完封勝利。槙原氏が言う。

「あの時に感じたのは、甲子園に対する気持ちとか、俺らにないものを出してるなと思ったから、勝てないなと…」

 甲子園出場直前、カーブの曲がりを抑えてコントロール重視のピッチングに改良。準決勝で敗退したものの、ノーヒットノーランまで記録したのは、ケガの功名だったのか…。

 ちなみに、夏の甲子園でノーヒットノーラン達成の最も新しい記録は1998年、「平成の怪物」で鳴らした横浜高校の松坂大輔氏。京都成章との決勝戦だった。今夏、残り試合で新たな達成者は現れるか。

(所ひで/ユーチューブライター)

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<マイクロスリ―プ>意識はあっても脳は強制終了の状態!?

    338173

    昼間に居眠りをしてしまう─。もしかしたら「マイクロスリープ」かもしれない。これは日中、覚醒している時に数秒間眠ってしまう現象だ。瞬間的な睡眠のため、自身に眠ったという感覚はないが、その瞬間の脳波は覚醒時とは異なり、睡眠に入っている状態である…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<紫外線対策>目の角膜にダメージ 白内障の危険も!?

    337752

    日差しにも初夏の気配を感じるこれからの季節は「紫外線」に注意が必要だ。紫外線は4月から強まり、7月にピークを迎える。野外イベントなど外出する機会も増える時期でもあるので、万全の対策を心がけたい。中年以上の男性は「日焼けした肌こそ男らしさの象…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<四十肩・五十肩>吊り革をつかむ時に肩が上がらない‥‥

    337241

    最近、肩が上がらない─。もしかしたら「四十肩・五十肩」かもしれない。これは肩の関節痛である肩関節周囲炎で、肩を高く上げたり水平に保つことが困難になる。40代で発症すれば「四十肩」、50代で発症すれば「五十肩」と年齢によって呼び名が変わるだけ…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , |

注目キーワード

人気記事

1
【戦慄秘話】「山一抗争」をめぐる記事で梅宮辰夫が激怒説教「こんなの、殺されちゃうよ!」
2
巨人で埋もれる「3軍落ち」浅野翔吾と阿部監督と合わない秋広優人の先行き
3
神宮球場「価格変動制チケット」が試合中に500円で叩き売り!1万2000円で事前購入した人の心中は…
4
永野芽郁の二股不倫スキャンダルが「キャスター」に及ぼす「大幅書き換え」の緊急対策
5
「島田紳助の登場」が確定的に!7月開始「ダウンタウンチャンネル」の中身