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記事全文を読む→中江有里「阪神」LOVEインタビュー(2)夢の中で阪神は負けていた…
かつての万年最下位イメージは完全に払拭。今やAクラスが定位置だ。23年にはリーグ優勝、38年ぶりの日本一となった。中江氏がこの時を振り返る。
「甲子園での第5戦。0-2で迎えた8回で6得点しての大逆転でした。でも、7回ライトの森下翔太選手のエラーで失点して、ライトスタンドから怒号が飛んでいました。きっとご本人はつらかったと思います。でも森下選手は見事に取り返してくれた。チャンスに強い、メンタルの強い選手です」
森下痛恨のエラーは、セカンドの中野拓たく夢む が打球を足に当ててのダブルエラー。だが、8回1死、2、3塁から走者一掃のスリーベースで試合を決定づけたのだった。
「23年シーズンのMVPは、誰が何と言おうと岡田彰布監督! あの采配あっての『ARE(アレ)』(※優勝)ですよ。この年のスローガンとなった『ARE』は岡田監督の発明だと思うんです。おかげさまで、日本一の瞬間は甲子園球場のライトスタンドで迎えることができました」
この年、中江氏にも大変な出来事があった。突然の体調不良で、緊急入院する事態に見舞われたのだ。
「7月28日の午後、突然自宅で腹痛に襲われたんです。両手が震えだして視界が暗くなってきて。痛みで体が動かないし、スマホにも手が届かない。『このまま死んでしまうかも‥‥』なんて考えが頭をよぎりました。痛みの波が少し引いた隙に、匍匐前進でスマホを摑んで、家族に連絡して救急車を呼んだんです。検査の結果、左腎臓の良性腫瘍が破裂したようで、緊急手術となりました」
術後は絶対安静状態。痛みと闘いながらも、頭の中で思い浮かべるのは、タイガースのことばかり。
「短く浅い夢を数えきれないほど見ました。ほとんどが野球の夢。夢の中の阪神タイガースは負けているようなんです。その翌日の夢枕にもタイガースの試合が現れて、岩貞祐太投手、岩崎優投手、桐敷拓馬投手、島本浩也投手‥‥リリーフ陣の顔が走馬灯のように流れていきました。試合内容がどんな感じだったかはよくわからないんですけれど。でも、タイガースの存在が回復の源になりました!」
続く24年は、リーグ2位からCSに突入するも、横浜DeNAベイスターズに連敗を喫し、連覇はかなわなかった。
「24年シーズンでいちばんきつい思いをしたのが、まさにこのCSです。甲子園でストレート負けしたのは本当に悔しかった。原口文仁選手のホームランが慰めでした‥‥」
ファーストステージ第2戦、9回、8点差での原口の代打起用。勝利を諦めないタイガースファンにつかの間の夢を見せてくれた感涙の打席であった。
中江氏写真/撮影・初沢亜利
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