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Posted on 2026年10月03日 18:00

時代劇評論家・ペリー荻野のテッパン推し!「観ずに死ねるかッ!時代劇スーパーBEST10+1」(1)「鬼平犯科帳」最新作は必見!

2026年10月03日 18:00

 地上波から時代劇が消えて久しいが、時代劇の灯は消えるどころか舞台をBS、CS、配信に移して煌々と燃え盛っているのだ。われわれアサ芸オヤジ世代には、やはり時代劇がしっくりくる。若い男女の色恋ドラマなんぞでは満足できない。やはり“お侍さん”でなきゃダメなのだ!

 ─アサ芸で時代劇を語るとなれば、ペリー荻野氏の登場だ。時代劇に飢えたオヤジ世代のために“スーパーBEST10”に“超変化球作”プラス1をセレクトしていただいた。ペリー氏テッパン推しの“ちょんまげ天国”へ、いざ参る!

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◆TVドラマ編

「暴れん坊将軍」

 ご存じ、八代将軍・徳川吉宗(松平健)が城を抜け出し、町奉行・大岡越前や町火消しめ組の面々と悪人退治。78年から親しまれるシリーズには、天知茂、ハナ肇、江利チエミ、中村玉緒、歌謡界の女王・美空ひばりも紀州時代の吉宗の友人、お奈津役で4度も登場した(ひばり初登場回のタイトルは「紀州から来た凄い女(やつ)」)。まさに“昭和のスター列伝”でもある。

 知られざる見どころとして、第9シリーズ第19話「江戸壊滅の危機 すい星激突の恐怖」のSF的カルト人気回をあげたい。ある晩、吉宗は望遠鏡で覗いた夜空に赤いすい星を発見。変人天文学者(笹野高史)、め組の面々は、すい星落下地点となりそうな日野の人々を救うべく、現場に急行するのだが─。

 さらに、東映時代劇ユーチューブで公式配信されている第1シリーズ第1話にも注目。吉宗の将軍就任までの意外ないきさつが描かれ、実に興味深い。

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「鬼平犯科帳」

 火付盗賊改方(ひつけとうぞくあらためかた)長官・長谷川平蔵と盗賊との攻防を描く。原作は池波正太郎。初代松本白鸚、丹波哲郎、萬屋錦之介、二代目中村吉右衛門と名優が演じてきた長谷川平蔵役を務めるのは、十代目松本幸四郎。華やかさと人間味豊かなリーダー像が評判だ。

 10月10日(土)に時代劇専門チャンネルで放送される最新第8弾「鬼平犯科帳本所の銕」では、平蔵が“本所の銕”と恐れられた青春時代を回想する。若き日の平蔵・銕三郎を演じるのは市川染五郎だ。銕三郎は悪御家人の非道に怒り、対決する。弱い者を助け、自分なりの筋を通す銕三郎の姿にグッとくる。本作より中村吉右衛門版「鬼平」で同心・木村忠吾を演じた尾美としのりが、のちに平蔵の密偵となる相模の彦十として登場。どんな彦十になるのかも注目だ。

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「必殺仕掛人」

 気のいい鍼医、藤枝梅安(緒形拳)は、元締め音羽屋半右衛門(山村聰)の依頼で凄腕の浪人・西村左内(林与一)と悪を葬る「仕掛人」。第23話「おんな殺し」で梅安は、昔生き別れた母と生き写しの妖艶な悪女(加賀まりこ)を狙う。描かれるのは人の業と深い闇だ。

 勧善懲悪が主流のテレビ時代劇に殺し屋が主役、人物の顔の半分を真っ暗にするほど陰影のある映像美と、平尾昌晃によるウエスタン調音楽、“仕掛け”が始まる時の定番♪パララ~のトランペット音までも斬新だった。

 実は本作、凝り性の監督が毎週ギリギリまで撮影して、土曜日にオンエアする綱渡りだった。雨が降っても天気待ちの時間がなく、セットも作れない。スタッフはスタジオの片隅で灯籠だけ立てて緊張感のある殺しのシーンを撮りきり、俳優たちを感心させた。同時間帯の人気作「木枯し紋次郎」とのし烈な視聴率競争もテレビ史に残る。

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「浮浪雲」

 幕末、東海道の問屋場「夢屋」の主の雲(渡哲也)は、女物の着物を着て、ふらふらする遊び人。通りで「おねえちゃん、あちきと遊ばない?」と声をかけるのがお約束だ。家では妻・かめ女(桃井かおり)は、息子の新之助(伊藤洋一)の教育に奮闘する。

 劇中には「このドラマはフィクションであり、時代考証その他、かなり大巾にでたらめです」と素っ頓狂なテロップが流れる。なんと、かめがピンク・レディーを歌ったり、坂本龍馬(山㟢努)のサイン騒動が起きたり。ハチャメチャな笑いの中にあるのは、いわゆる常識や普通というものが果たして本当なのか?という問いかけだ。

 新之助の塾の先生(柴俊夫)が芸者(五十嵐淳子)との仲を隠すのはなぜか。雲は「女ってのは可愛いもんです」と飄々としながら、平等とは? 人を愛するとは? ─と新之助に大事なことを考えさせる。原作・ジョージ秋山、脚本・倉本聰の大物タッグ。渡の新たな魅力が炸裂する。

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「関ヶ原」

 原作は司馬遼太郎。主人公の石田三成を加藤剛、徳川家康を森繁久彌、三成を助ける家老・島左近を三船敏郎、豊臣秀吉を宇野重吉、北政所を杉村春子という超豪華キャストが揃った大作だ。

 堅物の三成は「力ずくや欲得ずくで天下が動いてはならん」と家康との対決を決意。病で視力を失っていた大谷吉継(高橋幸治)は、三成の目も世の流れが見えていないと察しながらも、彼のまっすぐな思いに共鳴する。その時の激励のセリフが胸を打つ。「目が見えぬ者同士のよしみでこの命くれてやる! 受け取れ!!」。だがその裏では、小早川秀秋を寝返らせるなど、老練な家康が動いていて─。

 合戦シーンには、エキストラ3500人、馬400頭が参加。関係者の弁当の総数は延べ1万個! 脚本・早坂暁。音楽・山本直純。ニニ・ロッソのトランペットが胸に響くのだ。

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◆NHK時代劇編

「黄金の日日」

 NHKとくればやはり大河ドラマ。本作は78年の第16作だ。戦国時代、国際都市堺を舞台に呂宋助左衛門(市川染五郎=現・二代目松本白鸚)が、堺の支配に乗り出す織田信長(高橋幸治)、豊臣秀吉(緒形拳)など大人物と関わりながら、大海原での活躍を目指す壮大なストーリー。

 助左衛門と知り合ったのは、あの石川五右衛門(根津甚八)。老いてなお、戦へと突き進む天下人秀吉に五右衛門と仲間たちは怒り、命を捨てる覚悟で伏見城に潜入して暗殺を企てる。仲間に「地獄で会おうぜ」という“甚八”五右衛門のカッコよさにしびれる。

 終盤、助左衛門は「よく聞け、我らは堺を捨てるのではない。我らが堺を持ち去っていくのだ!」と多くの命を奪った権力者(家康)に屈しないと宣言する。原作は城山三郎、脚本は市川森一。民を踏みにじる為政者への反骨心がにじみ出た名編だ。

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