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佐々木は自分では料理をしないが、料理番組への抜擢にNOはない。
「テレビを作る人間は、自分のやりたいものだけをやれるわけではなくて、得意じゃなかったり、全然知識のないジャンルの番組を担当する時もあります。『視聴者にどう伝えるか』を考えつつ、どこかに自分のやりがいを見つけていく。『お料理がんばるゾ!』ではどうしたら自分の色を出せるかを必死に探しました」
「お料理がんばるゾ!」ではADも経験せず、いきなりDとして入った。佐々木がまず取り組んだのは、“合わせる作業”だった。
「番組が積み重ねてきた過去2年間のベースを守りつつ、郁恵さんとの信頼関係を作る。そして宝酒造の1社提供だったので、スポンサーさんとの向き合い方も大事です。番組作りのいろんなノウハウを、ここで学ばせてもらいました」
「お料理がんばるゾ!」は94年にリニューアル。生活情報バラエティー「3時ヨこい!」内の1コーナー「郁恵の今日何にする?」となった。佐々木は引き続きDを担当し、少しずつ自分の色を出すようになる。
「自分で言うのも失礼かもしれないけど、『お料理がんばるゾ!』の1年で郁恵さんとの相性のよさがわかり、郁恵さんのおもしろいところが見えてきたんです。段取りをミスしたり、盛り付けがうまくいかなかったり、従来の料理番組ならカットするところを、Pと相談して『おもしろいからちょっと使っちゃおう』と(笑)。郁恵さんはこれを否定しないで、『アブちゃんはこういう感じにしたいのね』と受け入れてくれました。そこへ井森美幸が加わって、一気にブーストがかかりました」
「今日何にする?」は月曜から金曜の放送で、月曜は井森、火曜から金曜は境鶴丸アナが榊原のアシスタントを務めた。ここに「郁恵・井森」コンビ爆誕である。
ホリプロの先輩後輩の絶妙な掛け合いは評判もよく、「3時ヨこい!」が終了しても、「郁恵さんのお料理番組は独立させて残そう」と局内で早々に決まった。
95年10月から「郁恵・井森のお料理BAN!BAN!」がスタートする。
佐々木はこう述懐する。
「郁恵さんの明るいキャラクターが大好きで、料理番組でもそのまま活かそうと思っていました。ただ、郁恵さんもお家で料理を作ったり、番組で何年も料理してるから腕は上がってる。そこで井森の登場ですよ(笑)。郁恵さんの初期の頃に輪をかけて料理ができない。『2人でバディを組めば、おもしろい料理番組になる』という確信はありました」
佐々木敦規(ささき・あつのり)1967年生まれ。演出家・映像ディレクター。フィルムデザインワークス取締役。「ビートたけしのお笑いウルトラクイズ!!」「とんねるずのみなさんのおかげでした」「IPPON GP」などのバラエティー、K-1やプロレスなど格闘技番組の演出を経て、ももクロのステージ演出を手掛ける。
取材・構成/茂田浩司(ライター&編集者)
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