スポーツ

8月10日に迎えた初戦で0‐10で敗退した高校の名称が数奇すぎる!

 それは01年の第83回大会でのこと。新潟県代表は春夏を通じて甲子園初出場となる十日町高校だ。ただでさえ緊張するのに、初戦の相手が四国の強豪・明徳義塾(高知)。さらに第4試合で試合開始が午後6時だったこともあり、ナイターになってしまったから十日町の選手たちが自分を見失ってしまうのも無理はなかった。

 立ち上がりの1回表。十日町のエース・尾身の調子は決して悪くはなかった。先頭バッターの橋本をピッチャーゴロに仕留め、幸先のいい立ち上がりとなったはずだった。しかし、続く三木のバントでファーストが送球を落とし、3番・森岡良介(元・東京ヤクルトなど)の大きく弾んだゴロをセカンドが後ろに逸らしてしまった。たちまち1アウト一、三塁のピンチ。ともに記録はヒットとなったが、野手はコチコチだったのだ。このピンチで明徳義塾の4番・松浦がセンター前にテキサスヒットを放ち、先制点を許してしまった。明徳義塾の強打を意識しすぎて外野陣も深く守り過ぎていた。当然のように伝令が走ったが、「落ち着いていこう」というベンチからの指示も無意味だった。エースの尾身は試合後にこう首をひねっている。

「何を言われたのか覚えていません。雰囲気にのまれてしまった」

 十日町守備陣の乱れにつけこんだ明徳義塾は初回に打者9人で5安打を集中して5点を先取。2回にも2点を追加した。十日町の尾身が自分の投球を思い出したのは3回以降。6回表に森岡に3ランを打たれてさらに3失点したものの、スライダーを丁寧に低めに集めてこの回以外は明徳義塾に得点を許さなかった。

 対する十日町打線は尾身の3安打を含む7安打を放って食い下がったが無得点。結果的に14三振を喫し、ほろ苦い思い出とともにナインは甲子園を去って行ったのだった。なお、これ以降、十日町の甲子園出場は春夏通じて1度もない。

(高校野球評論家・上杉純也)=敬称略=

カテゴリー: スポーツ   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク

SPECIAL

アサ芸チョイス:

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<老人性乾皮症>高齢者の9割が該当 カサカサの皮膚は注意

    330777

    皮膚のかさつきを感じたり、かゆみや粉をふいた状態になったりすることはないだろうか。何かと乾燥しがちな冬ではあるが、これは気候のせいばかりではなく、加齢による皮膚の老化、「老人性乾皮症」である可能性を疑った方がいいかもしれない。加齢に伴い皮膚…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<中年太り>神経細胞のアンテナが縮むことが原因!?

    327330

    加齢に伴い気になるのが「中年太り(加齢性肥満)」。基礎代謝の低下で、体脂肪が蓄積されやすくなるのだ。高血圧や糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病に結びつく可能性も高くなるため注意が必要だ。最近、この中年太りのメカニズムを名古屋大学などの研究グル…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

    医者のはなしがよくわかる“診察室のツボ”<巻き爪>乾燥による爪の変形で歩行困難になる恐れも

    326759

    爪は健康状態を示すバロメーターでもある。爪に横線が入っている、爪の表面の凹凸が目立つようになった─。特に乾燥した冬の時期は爪のトラブルに注意が必要だ。爪の約90%の成分はケラチン。これは細胞骨格を作るタンパク質だ。他には、10%の水分と脂質…

    カテゴリー: 社会|タグ: , , , |

注目キーワード

人気記事

1
角盈男がズバリ!菅野智之はメジャーリーグで「本塁打をかなり打たれる」
2
株の大量買いで…かつての「救世主」が敵に回りそうなフジテレビ
3
「ちびまる子ちゃん」にとんでもない場面が登場「中居問題」を想起させる「意味深な部屋」
4
「ジャングリア沖縄」大型テーマパーク開業前に持ち上がった「3つの大問題」
5
「いい人」返上のやす子が「死ねばいいのに!」罵倒…それってフワちゃんと変わらない大問題