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市川猿之助の逮捕でどうしても残る「3つの不可解なナゾ」向精神薬をめぐる「精神科医の常識」も浮上して…

 市川猿之助こと喜熨斗孝彦(きのし・たかひこ)容疑者が6月27日、母親の自死をほう助した容疑で警視庁に逮捕された。

 5月18日の午前10時過ぎ、東京・目黒区の自宅で猿之助容疑者の両親が倒れているのが見つかった。緊急車両が駆けつけた際、すでに母親の延子さんは死後硬直が始まっており、現場で死亡が確認された。父親の市川段四郎さんこと弘之さんは搬送先の病院で亡くなった。猿之助容疑者は警視庁の取調べに対し「自分が睡眠薬を飲ませた」と供述しているという。

 一般に「向精神薬、睡眠導入剤の飲み過ぎでは死ねない」。致死量に至る前に、吐くか眠るかのどちらかだ。

 10年以上前、自死に使われていた強い薬があった。現在は製造中止になり、ジェネリック医薬品しか取り扱いがない。厚労省の指導で大量に飲めないよう、薬のコーティング剤に工夫が凝らされた。レイプドラッグとして悪用されないよう、水に溶かすと青色になるようにも改良されている。

 そもそも向精神薬を必要とするのは精神的に不安定な患者なので、発作的に命を絶つかもしれない患者に、精神科医は「致死量の向精神薬」など渡さない。腎機能、肝機能が落ちている高齢者であれば尚更だ。ではどうやって大量の薬を入手したのか。これがひとつめのナゾとなる。

 両親に飲ませた薬と、猿之助容疑者本人が飲んだと供述している「睡眠導入剤」のクスリのカラ等が見つからないのも不可解だ。なにしろ猿之助容疑者が飲んだとされる薬は効きめが強い。内服から15分も経たないうちにフラついて歩けなくなり、45分後には血液中の薬の濃度がピークに達する。供述の通り、両親の自死をほう助し、自分もあとを追うつもりで飲んだ薬のカラを片付け、ゴミ出しに行ったなら、その間に「寝落ち」してしまうだろう。猿之助容疑者が飲んだ薬のカラは「誰が捨てたのか」という疑問は最後まで残る。

 さらに、介護疲れが事件の背景にあったとしても、猿之助容疑者はカネも仕事も名声もない「子供部屋おじさん」ではない。NHK大河ドラマの主役を演じ、話題のドラマには欠かせない名優で、梨園を代表する歌舞伎役者だった。一般人は経済的に難しくても、猿之助容疑者なら両親をプライバシーが守られた高級老人ホームに入れることもできただろう。

 逮捕前の任意の事情聴取に、猿之助容疑者は「週刊誌報道をきっかけに家族会議をして、みんなでさよならすることにした」と話していたことが判明した。最愛の両親に手をかけるほど精神的に追い込まれていたのが残念でならない。

 警視庁と東京地検は「起訴状」で「猿之助の心の闇」を明らかにできるのだろうか。

(那須優子/医療ジャーナリスト)

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