社会
Posted on 2023年06月29日 05:59

お初天神・かんなみ新地・元町有楽名店街…関西「昭和レトロ飲食店街」に次々と降りかかる「火災焼失と閉鎖」悲劇実態

2023年06月29日 05:59

 大阪市西成区の中央通商店会で6月27日に火災が発生し、70代と80代の男女が救急搬送される事態になった。現場は大阪メトロ岸里駅から西に延びる、閉鎖した店舗も多くあるアーケード街だ。

 近年、関西を中心に、老朽化した建物や商店街の火災が問題視されている。2021年には大阪・お初天神近くの飲食店で出火し、約360平方メートルが延焼した。

 2021年に70年の歴史に幕を下ろした、尼崎の旧花街「かんなみ新地」。現在は旧オーナーらが経営する飲食店が軒を連ねているが、昨年6月には市が新地一帯の土地建物を取得し、更地にした後に売却すると発表している。かんなみ新地の旧オーナーが言う。

「置屋が閉鎖となり、女の子がやめた後に市の職員が来て、2階にあったベッドやマットレス、女の子の衣装などを全て処分しました。2階に続く扉には、杭を打って封鎖するよう指導されました。営業を続けさせない意味もありましたが、防火指導として来ていたようです。閉鎖後も放火の恐れがあるからと、警備員がしばらく見守りをしていましたね」

 神戸の阪神元町駅地下に存在する「有楽名店街」も、安全上の問題から閉鎖が決定した地下街のひとつだ(写真)。ここで営業するスナックのママが言う。

「避難用階段が確保できないなどの安全上の問題から、火災時など大きな事故につながる危険性があるとして、10年前に閉鎖が決定しました。5年前から各店舗が明け渡しを命じられ、ウチの店も今年8月に立ち退きが決まっています。現在、営業しているのは6~7店舗ほどですね」

 閉鎖が決定するまでは、50店舗ほどの飲食店やスナックがあったという。

 防火上の問題とはいえ、こうして昭和の風景が次々に消えていくのを見て、なんとも寂しい気持ちになるのであった。

(カワノアユミ)

全文を読む
カテゴリー:
タグ:
関連記事
SPECIAL
  • アサ芸チョイス

  • アサ芸チョイス
    社会
    2025年03月23日 05:55

    胃の調子が悪い─。食べすぎや飲みすぎ、ストレス、ウイルス感染など様々な原因が考えられるが、季節も大きく関係している。春は、朝から昼、昼から夜と1日の中の寒暖差が大きく変動するため胃腸の働きをコントロールしている自律神経のバランスが乱れやすく...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月18日 05:55

    気候の変化が激しいこの時期は、「めまい」を発症しやすくなる。寒暖差だけでなく新年度で環境が変わったことにより、ストレスが増して、自律神経のバランスが乱れ、血管が収縮し、脳の血流が悪くなり、めまいを生じてしまうのだ。めまいは「目の前の景色がぐ...

    記事全文を読む→
    社会
    2025年05月25日 05:55

    急激な気温上昇で体がだるい、何となく気持ちが落ち込む─。もしかしたら「夏ウツ」かもしれない。ウツは季節を問わず1年を通して発症する。冬や春に発症する場合、過眠や過食を伴うことが多いが、夏ウツは不眠や食欲減退が現れることが特徴だ。加えて、不安...

    記事全文を読む→
    注目キーワード
    最新号 / アサヒ芸能関連リンク
    アサヒ芸能カバー画像
    週刊アサヒ芸能
    2025/7/22発売
    ■620円(税込)
    アーカイブ
    アサ芸プラス twitterへリンク