スポーツ

山口健治の“江戸”鷹の目診断「防府記念」

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連覇を狙う浅井に新田が襲いかかる

 まくり脚がある追い込み選手は、強引に位置を主張しない。3番手からでも抜け出す自信があるからだ。

「防府記念」(10月25日【土】~28日【火】)に出走予定のS級S班は、村上義弘金子貴志新田祐大浅井康太。S1からは脇本雄太山崎芳仁岩津裕介中川誠一郎らが参戦する豪華メンバー。小倉競輪祭(11月21日~)を視野に激戦必至のシリーズになる。

 中国勢の代表は岩津。今年の活躍は目覚ましく、記念は2月玉野、6月川崎と2V。GIは6月宮杯【3】着、9月前橋AS【3】着と2度表彰台に乗っている。

 好位がなくても勝ち負けに持ち込めるのはまくりを打てるからだが、3番手で勝つのは厳しい。今後を考えると、若手先行を育てなければならない。そうなれば頂点も見えてくる。ただし、今回は前走・川崎FIを優勝した勢いがある。

 ここ防府と抜群に相性がいいのは浅井。昨年の覇者であり09年にも勝っているのは、機動型に味方する333バンクだからだけではない。恐らく競輪場入りするとともに、「今年もやれる!」と手応えを感じるからだ。

 さて、並びと展開。地元は中四国で結束、阿竹智史─岩津─桑原大志だが、三宅達也が勝ち上がってくれば阿竹の後ろ、絶好の2段駆けになる。近畿は脇本─村上義、中部は浅井─金子のSS班コンビ。九州から中川と野田源一が進出したとしても並びそうにはなく、それぞれ単騎戦か。東日本は南関の郡司浩平福田知也の神奈川両者、池田勇人朝倉佳弘の90期埼京ライン。そして、福島の新田─山崎が強力だ。他では上原龍が圏内と見た。

 先行がそろっても、早めに踏んで脇本が主導権を握る。中団は取り合いになるが、そこで脚を使えば余力を失う。勝負に出るのはバックからだろう。

 90期の◎浅井=○新田で好勝負。3番手評価は混戦巧みな岩津と、脇本につける村上義で互角。動ける90期の戦いも、見ものになりそうだ。

 伏兵は、柴田竜史(静岡・96期)、高久保雄介(滋賀・100期)、小原唯志(茨城・101期)の機動型3選手。3人そろってS1の中堅と遜色ない戦歴だが、記念で好走すれば自信になる。1次予選突破に満足せず、チャレンジャー精神でその上を目指す競走が見たい。競輪界の活性化は若手が台頭してきてこそだからだ。

◆プロフィール 山口健治(やまぐち・けんじ) 1957年1月、東京都荒川区生まれ。競輪学校38回生卒業チャンピオンとしてデビュー。主なタイトルは日本選手権、競輪祭(2度)。09年1月引退。現在「スポーツ報知」評論家。

◆アサヒ芸能10/21発売(10/30号)より

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